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1 私はこの手を絶対に離さない。

 浮き木につかまって


 プロローグ


 私はこの手を絶対に離さない。


 本編


 水槽の部屋 マイルーム


 木瀬鮎美がいつものように、暗い水槽の部屋の中で一人で過ごしていると、そこに遠くの闇の中から、一人の男の子がやってきた。


 こんな深い海の底にくる人が私のほかにもいるなんて、とその男の子のことを見て、鮎美はひどく驚いてしまった。


 男の子は、どうやらこの深い海の底に、やってきたばかりのようだった。(男の子がきょろきょろとして、この世界に戸惑っている様子から、そのことがなんとなく鮎美にはわかった)


 やがて男の子は水槽の部屋とその部屋の中にいる鮎美のことを見つけて(まるでずっと探していた仲間を見つけたかのようにはしゃいだ顔をして)、鮎美のいる部屋のすぐ近くにまでやってきた。


「こんにちは」男の子は言った。

「……こんにちは」鮎美は読んでいた真っ白な本から顔を上げて、男の子にそう言った。

「僕は浮木。浮木流って言うんだ。よろしくね」とそう言って流くんはにっこりと鮎美に笑った。

「……私は鮎美。木瀬鮎美って言います。よろしく」と本で顔の下半分を隠しながら、鮎美は言った。(流くんの明るい笑顔を見て、鮎美は少し照れていた)


「木瀬さん。木瀬さんはこんなところでなにをしているの?」

 水槽の部屋の前で、透明なガラスの壁越しに流は鮎美にそう言った。

 すると、鮎美はその答えに困ってしまった。

 改めてそう聞かれると、なんて答えていいのか、よくわからなくなってしまったのだ。(もしかしたら、答えなんて初めからなかったのかもしれないけれど……)

 さて、困ったぞ。

 私はここでいったいなにをしているんだろう? 鮎美は、うーんと難しい顔をして、椅子の上で、じっとそのことについて悩みこんでしまった。(こうしてなにかについて、深く悩んでしまうことは鮎美の悪い癖だった)

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