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絶望
雨は僕を貫いて地面に落ちる。
風はあざ笑うかの様に
前後左右から僕を揺さぶる。
どうしてこんな事になってるんだろう。
涙と雨が混ざり落ちていく。
結局僕の一人よがりだった。
あんな可愛い子が僕を相手にする訳がないんだ。
バイトも辞めてしまおう。
握りしめていたキーホルダーを地面に叩きつけて僕は大きな声で泣いた。
まだ時間は9時過ぎ 傘を手に家路を急ぐ人たちに紛れて僕は泣いた。
ふと雨が止む、、、いや誰かが傘をさしている。足元を見る。ビーチサンダル、、、
あなたは確か、、、
男(そうだピンク先生だ!
風邪ひくぞ、、、)
なぜだろうこんな訳のわからない奇人が凄く暖かく感じる。
また涙が溢れてくる。
思わず叫ぶ。ピンク先生おれ、おれ、悔しいよ。
ピンク先生は僕の肩を軽く叩き、ニヤリと笑い親指を立て行くぞ!と合図して歩き出した
僕はこの奇人について行く事にした。
この人はきっと僕を変えてくれる。そんな気がしたんだ。
雨は止む気配を見せずに降り続けていた。