人生で初めてだ。
恋をすると言う事は料理に調味料をかけるのと同じ。人生と言う料理は調味料で味がいくらでも変わる。つまり味が変わる事を恐れず
色んな調味料を試してみよう。いつか最高の調味料と出会えるはず。
僕の名前は吉田拓海。今年で21歳になる。
大学を中退して今はコンビニでアルバイトしている 一言でいうと 、、、さえない男
である。生まれてから一度も女の子にモテた事は無いし大学を辞めたのも友達が出来なくて孤独感に耐えれなくなったからだ。
両親にはやりたい事が出来たからと言い訳したけどやりたい事など無い!
趣味は、、、無い!
、、、、、ハァ〜。
改めて自分には何も無い事に気付く。
でも顔はそんなに悪くないよ。この前バイト先の子にブルー○・リーに似てると言われたんだ、、、、鏡に映る自分が少しニヤける。
そろそろバイトに行かなきゃ。僕は時間だけは守れる男なんだ。時間の守れない人間は信用されないとなんかの本に書いてあった。
自転車で5分走るとバイト先だ。
裏口から店に入る。中から話し声が聞こえきた。
男(じゃあ来週土曜日の夜に決まりだね。)
女(うん。楽しみだね。)
男は本田圭佑22歳の大学生。遊び人で女にだらしなく去年は遊び過ぎて留年したらしい。
親が金持ちで車も持っている。少しGACKTOに似ている。彼は、僕が嫌いで僕も彼が嫌いだ。
女は小川美希ちゃん。19歳凄く可愛いくてみんな狙っている。もちろん僕も片想いしている。黒髪がとても清純で明るい女の子。
高嶺の花だ。
美希(他に誰誘いますか?人数多い方が楽しいですよ!)
圭佑(俺は、美希と二人がいいなぁー)
僕は少しイラっとした。あんな台詞をさらっと言う奴は大っ嫌いだ。
(本当は羨ましいのだ)
なんか盗み聞きしてるみたいで恥ずかしくなり着替え終わると素早く二人の横を通り抜ける。
美希(あっ吉田さん。こんばんは。そうだ!来週土曜日夜に吉田さんもカラオケ行きませんか?)
一瞬本田が嫌そうな顔をした。
ぼ、僕は、、、
圭佑(吉田君はバイト入ってるから無理なんじゃない?)
僕のシフトなんかいつも見てないくせにこんな時だけチェックしている。
やっぱり嫌な奴だ。
美希(じゃあ仕事終わったら来てくださいよ)
また本田が嫌そうな顔をした。
二人はバイト上がりでしばらく話してから帰っていった。
僕は嬉しかった。あの美希ちゃんが僕を誘ってくれたんだ。凄くドキドキした。
人生で初めての経験だ。
この日は時間が早く過ぎて仕事も頑張れた。
帰り道僕は自転車を押して帰った。少し肌寒くなってきた秋の夜空を見上げながら何回も美希ちゃんの言葉を思い出しながらゆっくりゆっくりと家路に着く。
、、、来週楽しみだ。