第八話 グループ決め
短いかもです。
第八話 グループ決め
入学式翌日の朝、俺のクラスでは、簡単な自己紹介と委員会に入る人の選定なんかを行っていた。
まぁ、俺は生徒会に入ってしまっているので、ほかの委員会に入ることはできないんだけど……。
そんなわけで、簡単な自己紹介が終わった後、俺は暇を持て余していた。
さすがに今現在進行形で議論している中、机に突っ伏して眠ったり、ましてや端末を開いて何かをしたりするのは正直、礼儀的にどうなのかなという感じがする。
というわけで、特になにをするわけでもなく、ぼんやりと頬杖をつきながら話を聞いている。
それにしても、周りの人たち、特に女子生徒たちが時々ちらちらとこっちを向いてくるのは一体何なのであろうか。
頬杖を突くのは確かに行儀が悪いかもしれないが、できればこれぐらいは見逃してほしいものだ。
そんな事を思いつつ、時間が過ぎていくのであった。
「とりあえず委員会もこれで決まりましたね。」
しばらくして、山田先生が教壇に立ちそう告げる。
前のボードには各委員会に入ることになったメンバーが書かれていた。
「さて、それでは今から実習のグループを組んでもらいます。
三人でグループをで、実習では原則、このグループでいろいろとやっていくことになります。
本来ならば、生徒の自主性を重んじるという我が項の校風もあるので自由に組ませたいところですけれど、能力が偏ってしまいますとあまりよくありませんのでこちらで決めさせていただきました。
グループについてですは、私が皆さんの入試のときの能力を見て大体いい感じになるように組んでいますのでこの通りに分かれてもらいます。」
そういって先生はデータを皆に配布する。
「皆さんには今度のトーナメント戦にこのグループで参加してもらうことになります。
ここでの成績は夏の大会の出場選手を選ぶ際に影響しますし、上位者には豪華な賞品も用意されていますから、皆さんしっかりと励むように。
もちろん、私にアドバイスを求めてもかまいません。
ただしあまり時間は取れませんので、原則として自分たちの中で問題の解決はするように。
さて、とりあえずトーナメント戦の簡単なルールだが……。」
このトーナメント戦のルールを要約すると、三人一組のグループでのチーム戦で、市街地をイメージしたフィールドで、相手の三人を全員戦闘不能にするか、十五分の時間経過の後、判定で勝敗を決めるというルールになっている。
個の能力と戦術、連携などの要素が試されるなかなか面白い試合である。
戦闘不能かどうかはは頭に付けられたヘルメット型の装置で判断されるそうだ。
武器の持ち込みは学校指定のものならばよいが、その他の物は用相談だそうだ。
「では皆さん。グループごとに分かれてください。
場所はさっき渡したデータのほうに書いてありますから。
本日はこれでクラスとしての授業なんかは終わりとなりますが、チーム同士で教室に残ったり訓練場を使ったりしてもかまいません。
使用できる訓練場は第一、第三、第四、第六アリーナとなっています。
今週一週間の使用できる訓練場の一覧を掲示しておきますので一度目を通しておいてください。
それでは皆さん、おつかれさまでした。
明日からは授業のほうも始まるからそのつもりで。
何か質問等あれば、教員室まで気軽に質問に来てください。
以上。」
そういって、先生は教室を出て行く。
どうやら後は生徒達自身に任せるらしい。
まぁ、さっき、生徒の自主性に任せるとか言っていたしな。
周りを見ると他の生徒たちはチームメイト同士で集まり始めている。
さてと、俺もチームメイトと集まらなくては。
さっきのデータをちらりと眺めて、チームメイトが集まっていると思われる場所へと向かう。
するととそこにはショートカットの女子生徒と、ポニーテールの女子生徒の二名がいた。
「おっ、来たね。」
ショートカットのこの方が少し遅れてきた俺のほうに目を向けてそういう。
「じゃあ、まずは一人一人自己紹介をしよっか。
あたしは、藤井輝美。
能力は風の操作だけどあんまり強くないかな。
遠距離攻撃が苦手で、遠距離になればなるほど制御できなくなってしまうの。
それでも、実家が武術を教えているところだから、近接戦闘はそこそこ行けると思うよ。
とりあえず一年間よろしくね。」
「よろしくお願いします。」
「よろしく。」
ショートカットの子は藤井輝美というらしい。
風を操るタイプの能力で、遠距離攻撃は苦手と。
まぁ、風を操る能力っていうのは割りとポピュラーな能力だな。
「では、次は私ですね。
私は杉下澪です。
能力は精神感応系なので、戦闘能力はほとんどなくて、せいぜい相手に幻覚を見せたりできるぐらいしか役に立たないかもです。
でも、テレパシーが使えるから、試合で離れる距離ぐらいだったら問題なく会話ができるはずなのでその点では役に立てると思います。
戦闘能力は殆どないですけど、精一杯がんばりますのでよろしくお願いしますね。」
で、ポニテの子が杉下澪というらしい。
かわいらしい感じの子で能力がテレパシーとかか。
んじゃ、最後は俺かな。
「まぁ俺は知ってると思うが、北神秋水。
一応今年の主席で、水を操る。
遠距離も近距離も行けるが、どちらかと言えば近・中距離が得意かな。
家の関係で、軍の訓練なんかにも参加したりしているから、一応体術もそこそこだな。
まぁ、これからよろしくな。」
そういって自分の紹介を終える。
「さて、全員自己紹介も終わったことだし、分担を決めたいんだけど......」
「分担と言ってもだいたいもう決まってるんじゃないか?
近接が藤井さんで遠距離が俺、サポートとして杉下さん。
これしかないでしょ。」
「まぁ、そうだね。じゃぁ訓練なんだけど、今日から大丈夫?」
「私は大丈夫ですね。」
「俺も平気だ。」
「よし、それじゃあ、今から早速向かうとしますか。」
「そうだな二人がどれぐらいできるのかって言うのも見ておきたいし。」
「はい。」
こうして俺たちは訓練場へと向かっていくことになったのであった。
がしかし、
「秋水、今日生徒会があるのを忘れていませんか?
昨日の帰りに言われていたと思うのですけど。」
教室を出たところで秀樹に捕まった。
「あっ、そういえばそうだったな。」
「そこまで長くはならないといっていましたけど、行かないわけには行かないでしょうから、行きますよ。」
「はいは~い。
ごめんね、生徒会の用事があったのをすっかり忘れていたよ。」
「まぁ、生徒会の用事なら仕方ないわね。
早くいってきなさい。」
「分かった、ごめんね。」
「全然問題ないですよ。
ですのであんまり謝らないでください。」
「わかった、それじゃあ、終わったら第三アリーナにいくことにするよ。」
「オッケー。
それまでは二人で軽くなんかやっていることにするよ。
それじゃあ、また後でね。」
「また後でです。」
そういって二人と別れ、俺は生徒会室へと、二人はアリーナへと向かっていくのであった。
第八話 end