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~プロローグ①~

投稿開始。

お願いいたします。

 〜プロローグ①〜



「よし、とりあえずはこんなもので良いだろう。

 えっと、文章に誤りなんかはないよな?

 言葉遣いもしっかりとしてるし、語尾なんかも混ざったりはしていない。

 大丈夫だな。

 一応、姉さんに送って確かめてもらおうか。

 ……よし、これで大丈夫だろう。

 さてと、メールの返信が来るまでどうしようかな。」


  自宅のマンションの一室に置かれたパソコンで何かを書いていた彼、北神秋水(きたがみしゅうすい)は長時間机の前に座っていて、ほとんど動かなかったがために凝り固まってしまっていた筋肉をほぐしながらそうつぶやいた。

  明日から入学する国立東京中央学園の入学試験時に渡されたパンフレットを机のキーボードの前において、俺が作っているのは、所謂、入学生代表挨拶についての文章である。

 この学園では毎年主席が新入生の代表として挨拶をするため、合格の通知をもらいに言った際に、挨拶の文を作ってくれと言われていたためだ。

 本来ならば、もう少し前からやっておけばよかったものの、すっかり忘れてしまい、今日の夕方、明日の入学式に向けて準備をしているときに気づき、慌ててその文章を書き始めて現在に至るというわけである。

 いや~、気づいた時は本当にあせったよ。

 学校に通うため、親の友人が所有しているというマンションへの引越しなんかをしているうちにすっかり記憶から抜けていたのだ。

 まぁ、この状況を仮に俺の昔からの親友に相談したとしたらあいつはほぼ間違いなくこういうだろう。


「秋水、それは自業自得というものですよ。

 こういう時は自分の力で切り抜けたほうがいいと思います。

 ですので、申し訳ありませんが僕は手伝えませんね。」


 まあ事実だよ。

 確かに事実だ。

 だけどさ、こういう時は仕方がない、助けてやろうみたいなことを言ってほしいんだよ。

 まぁ、意地悪なのではなく、俺のためを思っての言葉だから、特に文句を言ったりはできないし、使用とも思わないけどな。

 ともあれ、その緊急事態を何とか切り抜けた俺はやっと一息をつくことができたというわけである。

 そんなわけで、少し暇ができた俺は机の前に広げてあったパンフレットを閉じ、特に意味があるわけではないが表紙を少し眺める。

  そのパンフレットの表紙には、手を前にかざし、大きな火の渦を操っている男子生徒の写真が載っている。

  この写真はCGではない。

 そう、この写真の彼は実際に炎の渦を操っているのである

  おそらくもうお気づきであろう、この高校は所謂、『超能力者のための高校』なのである。

  この高校と同じ系列の高校は全国にいくつもあり、関東だけでも神奈川・千葉・埼玉・栃木に一校ずつ存在する。

  また、これらの高校は国立ということもあり、将来の国に役立つ人材を育てるため、超能力以外の面でもかなりの実力が必要とされているのである。

 まぁ、一応それなりに勉強もできた俺は中学の二年生の終わりごろから必死に勉強をし、なんとかこの学園に合格を果たしたというわけだ。

 なんとかっていっても、何を間違ったか主席合格になってしまったわけなんだが、まぁそれはいい。


 とりあえず、パンフレットをずっと見ててもしょうがないので、俺はパンフレットを机の上に置き、何かやらなきゃいけないことはあったかなと周囲を見渡してみた。

 すると、机の端のほうには、世界史の問題集と教科書がのっていた。

 ちなみに出版社はおそらく、歴史の教科書という面で言えば、第二次世界大戦後であればもっとも有名と思われる名前が自然な感じの二つの漢字からできている某出版社である。

 この出版社は現在でも生き残っており、今でも、多くの高校生がお世話になっているものである。

 もちろん、内容は昔と比べてかなり変わっているのではあるが。

 有名なところで言うと、ずいぶん昔になってしまうのだが、士農工商という言葉の扱いが変わったことというのがあげられる。

 士農工商といえば、もともと中国で作られた言葉で、有名な職業を列挙したものなのだというのは常識かと思うが、昔の教科書では、これは江戸時代における身分制度をあらわしたもので、士から順にどんどんと身分が下になっていくんだよなどと教えられていたらしい。

 しっかり考えれば、どう考えても、商人が一番下という時点でおかしいだろと分かると思うのだけどね。

 なにせ、江戸時代で最も力を持っていたのは商人といっても過言ではないほどなのに、一番下とされるというのは、さすがにおかしいだろうよ。

 いったい昔の教師は、この矛盾に対して、どうやって説明していたのか俺には正直わからない。

 かなり無理な理屈をつけないとこんなことはできないと思うんだ。

 ちなみに、現在ではどうして昔こういう風に教えられていたのかというのも分かっている。

 これは、明治維新を成功させた明治政府が、自分たちの政府がよりよい政府なんだということを主張するために江戸時代と比較して、

「江戸時代というのは士農工商といって身分制度ががっちりと定まった厳しい世界なんだ。

 だが、明治政府はこれを解放して平等としたんだぞ。」

 みたいな感じで、明治政府が教育し始めたのが原因らしい。

 その教え方が続けられてきたせいで、この教科書を始めて作った偉人たちもその矛盾に気づけなかったのだそうだ。

 まぁ、この話は中学校の頃の歴史の先生が雑談として教えてくれたことなんだけどな。

 それはともかくとしてなんだが、


「あぁ、そういえば抜き打ちテストがあるかもしれないと思って歴史を軽く復習してたんだっけか。

 あとは……二十一世紀からだけか。」


 そういえば、明日の文章を書いてないことに気づく前は歴史の勉強をしてたんだったな。

 一応続きをやっておくとするか。

 そう思った俺は自らの能力を用いて作ったウォーターベットに座りながら、二十一世紀の前半から二十二世紀に入るまでの歴史を見返していく。


「えっと、中国共産党政権の崩壊が、(さい)低な政権が倒れるだから2031年で、

 第三時世界大戦の勃発が()()増える戦争勃発だから2073年で.....」


 自分が年号を覚えるときに使っていた語呂合わせを利用しながら、問題集のページをぺらぺらとめくり、そういえば、このとき反乱を起こした人って誰だっけなんて思ったら教科書を見てというような形で勉強を進めていく。

 ここで、付け加えておくと、今年は2111年である。

 今から約四十年ほど前に起きた第三時世界大戦は、世界各地で起きた大地震と火山の噴火による世界的な冷害によって食料が不足し、各国が食料や燃料などを求めて起こした戦争であり、十年もの間戦いが続いたのである。

 また、終結した後も、各地で内戦などがおき続け、現在に至っても一部の地域ではいまだに争いは絶えない。

 この世界大戦や災害などの影響を受けた結果人口は激減し世界平均で約四割、日本でも三割五分もの人々が亡くなったと言われている。

 しかし、その一方で人類の一部は生きるために進化を遂げていった。

 それが今現在超能力と呼ばれている力なのである。

 この力は、その子孫へと遺伝していき、現在に至っている。

 まぁ、遺伝ではなく、突発的に超能力に目覚めるような人も中にはいるのだが。

 ともあれ、この超能力の影響もあって、現在では復興もかなり進み、科学も発展を遂げてきているのである。

 そんなこんなで、勉強をしていくとちょうど深夜十二時となっていた。


「おっと、もう十二時になったか。

 まぁ、これで大丈夫だろう。

 結構復習はできたわけだしもう良いかな。

 明日は入学式なわけだし、少し早めに休むとするか。」


 そういって、彼は高校へ行くために借りたマンションの一室で眠りにつくのであった。




 おっと、その前に携帯を確認しておかなくては。

 そう思い携帯を確認しておくと、姉さんからの返信があった。

 どうやら問題はなかったようで丸印がメールに打ち込まれていた。

 よし、大丈夫なようだな。

 さてと、それでは寝るとしますか。

 安心した俺はベッドへともぐりなおすのであった。


 プロローグ① end

年号の覚え方についての注意

①あれは秋水君がそう覚えているだけです。

②筆者は決して中国大嫌いとかそんな偏った考え方はしていません。

②ただし、この物語の設定上、第三次世界大戦では敵国だったという設定ですので、その影響で秋水君がああいう覚え方をしたと考えられます。

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