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ブログ

長編を書いた経験がありませんので、これは長編の練習作です。完結を目指して頑張ります。

 世津は、自分のブログの昨日のアクセス解析を見てみた。今回も新しく記事をアップしたら約60人の訪問者が来てくれた。決して多い方ではないだろう。人気ブログとは言えない。しかし、コメントを残さないが、どうも毎回来てくれる人はいるようだ。

 世津のような78歳の老女の過去と現在が交錯したブログ・・・現在の日記と、過去の思い出の自分史のようなブログを、どういう人がどんな気持ちで読んでくれているのだろうか?

「自分史かぁ」世津は過去を振り返る。

 終戦の後、小学校へ入学した。食糧が豊富ではなくて甘い物に飢えていた。小さい時、母親の留守に、隠してあった砂糖を見つけて舐めた。帰って来た母親に「お砂糖なんか舐めなかったよ」とわざわざ言ってばれたが怒られなかった。今でも料理を作る時など、砂糖をそのまま舐めたりする。砂糖に限らず甘い物好きになってしまった。人工甘味料は物足りなくて嫌いだ。

 世津は小学生の時から中学まで学校の成績が優秀だったが、父親は男尊女卑で、世津が家で勉強をすると

「女なんか勉強することはない! 家事をしろ!」と怒鳴られた。

だから悔しいけど高校への進学なんて無理だと思っていたが、中学の先生が夜間高校へ通わせてくれる会社を紹介してくれた。

 その会社は夜間大学にも通わせてくれた。仕事も勉強も全力で頑張り、卒業後はその会社の本社の経理をまかされて48歳まで勤めた。結婚はしなかった。

 会社を辞めた時にはマンションを所有していたし、かなりの蓄えもあった。世津はその蓄えの半分を旅行に使おうと思った。生まれて初めての海外旅行はインド一周から始まる約2年半のバックパッカーで行く世界一周一人旅だった。51歳の時、印刷会社に再就職して、65歳まで勤めて退職した。

 今は蓄えと年金で気楽に暮らしている。ほぼ健康ではあるが、寄る年波には勝てず、膝を悪くして、正座もできないし、和式のトイレにも行けないので、イスにテーブル、ベットと洋風に暮らしている。

 読書は見栄もなくなったので、年に似合わず今風のマンガやライトノベルが好きでオークションで安く手に入れている。

 世津は今日のブログに、今度オークションで手に入れたいラノベについての記事を書いてアップした。

 ブログを更新した後、遊びで無料の占いをした。それによると世津はこれから一生で一番のモテ期が来るらしい。

「この年になってモテ期が来てどうするの?」

世津は苦笑した。

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