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東国の王と七人の勇士  作者: スーパーファミコン
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第三話:腹ペコ美少女と盗賊の襲来

「……モグモグ……もぐもぐ」


「お前…よく食べるな」


 俺はあの後すぐに空腹で倒れた少女を担ぎ、森をぬけて近くの村まで来ていた。


 今は食べ物、食べ物とうなされていた少女の為に村の食堂に入り、現在の状況に至る。


「…うま…うま…」


 少女はその小さな口に次々と食べ物を運んでいく、実に幸せそうだ。


(にしてもこの娘、間近で見るとやっぱ可愛いなぁ)


 女の子に免疫のない俺は少しドギマギしながらも、幸せそうに食事する少女を観察していた。

 

「………フゥ」


 どうやら食べ終わったらしいので話しかけてみる。


「どうだ、腹いっぱいになったか?」


「……んー…腹八分目?」


「そんだけ食って腹八分目かよ!」


 俺はおもわず叫んでしまった。


(どんだけ食えば気が済むんだこの娘)


 大皿に大盛りにされた料理を一人で食べたのに、この少女はまだ食い足りないらしい、もしかしたら少女の胃袋は異次元につながってるのだろうか。


「…言っとくけど、もう食べさせられないからな」


 そうなのだ、この少女のせいで俺の所持金が残り少なくなってしまっていた。何かあった時のためにと婆ちゃんが少し多めに持たせてくれたのにものの数時間でこの始末だ。


 これでは、安い宿に泊まるのも難しい、これは何とかしなければならない死活問題である。


(どうやって今夜しのごうかなぁ、やっぱ野宿かなぁ)


 野宿は修業で経験しているのであまり苦ではないのだが、これからのことを思えば先のことがとてつもなく心配だ、そうやってこれからのことについて悩んでいると少女が俺に話しかけてきた。


「……助けてくれてありがとう」


「いやいや…大したことないよ…ハハハ」


 少女に対して見栄を張るが乾いた笑いしか出てこない。


「……そんなことない……本当に助かった……感謝してる」


 自分ではそんなに大したことはしてないと思うが(所持金かなり減ったが)この少女はとても感謝してるらしい。


「本当にいいって、そんなこと、それよりまだ名前聞いてなかったよな?」 


 俺はまだ知らない少女の名前を聞いてみることにした。


「……ん…私の名前?」


 首を傾げながら聞きかえしてくる少女、その仕草は子犬に似ていてとても可愛らしかった。


「そうそう君の名前、あっ俺は東条真緒なよろしく」


「……真緒……いい名前」


「ハハッそんなの他人に初めて言われたよ」


 俺は美少女に名前を褒められて少し照れくさくなっていた。


「……私は…鬼山…銀…」


「えーと、銀ちゃんでいいかな?そっちこそいい名前だな」


 美少女の名前は鬼山銀というらしい、彼女の綺麗な銀色の髪にあったいい名前だ。


「……ありがとう…でも〈ちゃん〉はいらない…銀でいい」


「え…でも俺達今日あったばっかの赤の他人だし…」


 美少女に名前を呼びすてにしていいと言われて、俺は内心で超興奮しているが、俺はそれを顔に出さないように冷静を装う。


「…あなたは…恩人…だからいい」


 どうやら俺は彼女を助けたことによって、彼女の中で俺は恩人になっているぽい、俺にしたら大したことはしてないような気がするが彼女はそうは思ってないらしい。


「じゃ、じゃあ…そう呼ばせて貰うな?」


「…うん」


 そうするとさっきまで無表情であった銀の顔に少しだが笑顔がこぼれた。その一瞬、俺はその表情にドキっとしてしまった。


「……真緒?…顔…赤い」


 銀に顔が赤くなったのを指摘される俺、とてつもなく恥ずかしい。


「なっなんでもないからさ///」


 俺は顔が赤くなったことをごまかし席を立つ。


「じゃあ、俺はこれでさいなら!///」


「…あ」


 そのまま俺は代金を払い食堂を飛び出して行く。


▼▼▼


 俺は食堂を飛び出した後で少し後悔していた。


「ああ、なんで飛び出してきちゃったんだろう俺…あんな美少女と会う機会なんてそうそうないのになあ」


 ため息をつきトボトボと道を歩いている時、急に叫び声が上がった。


「大変だー!盗賊達がこの村に攻めて来たぞーーーー!」


「!!」


 盗賊が攻めてくると叫んでいる男は身体中に所々傷を負っていた。


 だが、懸命に他の村人たちに盗賊達の襲来を伝えようとしている。


 男の叫びを聞き村人たちは血相を変えて逃げ出す。


「たっ大変だー!」


「キャー!」


 叫びを上げ逃げ出す村人たち、すぐ俺は傷だらけの男に駆け寄った。


「おい、あんた大丈夫か何があった!」


「うっ…旅の人かい?あんたも早く此処から逃げな!」


 逃げるようにいう男に俺は問う。


「盗賊が攻めてくるって本当か?」


「ああ本当だ。しかも普通の盗賊じゃない、奴ら噂の三日月盗賊団だ!」


「三日月…盗賊団?」

 全然知らない名前だった。


「あんた知らないのか?」


「ああ全然…」


「…三日月盗賊団ってのは《東国》じゃ三番目に凶悪だと有名な盗賊団だ」


「そうなのか」


 男が呆れながらも説明してくれる。


「中でも三日月盗賊団の頭である三日月春雷は残忍な奴って噂だ」


 そんなのがいるなんて知らなかったなぁと自分の世間知らずさについて考えてると。


「ッ!」


「村のみんなは集会場に逃げれたはずだ、だから俺達もサッサと逃げ…」


「ちょっと、遅かったなそれ」


「えっ」


 俺達が話してる隙に俺と男は五十人位の盗賊達に周りを囲まれていた。


「んーこれはどうしょうかな?」


次も読んでくれたら幸いです。

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