一、屯所にて
―新撰組屯所―
ドタドタドタ
スパーーン
「土方さん!!!」
「総司!!!入るときは声かけろつってんだろ!!」
屯所に着いた沖田はある人物の部屋に来た。
「そんなことより、烝君いますか!?」
「どうしたんだ?………つーかその手に持ってるもんはな「あとで話しますから、まずは手当てを!!」チッ……山崎!」
シュタ
天井から黒い影が降りてきた。
「手当てやな。」
その黒い影は直ぐ様沖田が持っている人の手当てに取りかかった。
黒い影は山崎烝。
新選組諸士調役兼監察だ。
顔は布で覆われてよくわからず、僅かに少し切れ長の目だけが見える。
彼は医術を心得ているため沖田は彼を探していたのだ。
「怪我はそないに深ないから大丈夫やろ」
大体の手当てが終わった頃山崎が言った。
「そうですか。」
沖田がホッとしたように山崎のその言葉に返事した。
「で、そいつはなんだ?」
すると、今まで機嫌悪そうにしていた部屋の主――土方歳三が眉間のシワをいつも以上に深くしながら聞いてきた。
土方は新撰組鬼の副長と呼ばれる男だ。
容姿は切れ長の鋭い目にスッと通った鼻ととても整っていてそこら辺の役者に負けず劣らずの美丈夫だ。
「知りません♪」
「………は?なんだって?」
「だから知りませんって。耳遠いですね。あっ土方さんはじじぃでしたね。すみません。」
沖田はまるで土方がそういうのを予想していたかのようにスラスラと言った。
お陰で土方の額には素晴らしい青筋が何本かできた。
「てめぇ「沖田はんこの子なんでつれて来たん?」
このままでは話が進まないと思った山崎が土方の言葉を遮り沖田に聞いた。
「それはですね…………
何故でしょう?」
可愛く首を傾げる沖田。
「てめぇが連れてきたんだろうが!!」
"ゴン"
「いっ~~!」
土方が沖田の頭に拳骨を落とした。
「うわっいたそーやなー。」
「土方さーん。なにも殴らなくてもいいじゃないですかー」
沖田が殴られた部分を自分でさすりながら土方に言った。
「ふざけたこと言ってるからだろうが」
「ですけど「とりあえず、この子連れてくるまでのこと話してくれへん?」
「えっとですね―――……」
沖田は今日あったことを土方たちに話していった。
――――――――――
「めちゃくちゃ怪しいじゃねぇーかぁああ!!!!!!!!」
キーーーン
「「煩い」」
沖田と山崎が耳を塞ぎ、言う。
もっとも沖田は自分の、
山崎は手当てをした分からない子の耳をだが。
「一応怪我人がいるんや。静かにしな起きてまうで。」
「す、すまねぇ;」
山崎に睨みながら言われ、思わず謝った土方。
その姿には副長の威厳が見当たらない。
「でも、珍しいやん沖田はん。こない怪しい子を連れてくるなんて。」
「えぇ、自分でも今思えば、不思議なんですよね。なんかほっとけなかったというか」
「ふーん。でどないするん?」
土方を抜きに話が進められていく。
「とりあえず、起きるまで僕の部屋で世話します。」
「まぁ、そのほうがええかもしれへんなぁ。こないな綺麗な子そこら置いといたら襲われるで。」
山崎が目の前の子を見ながらいった。
「そうですね。特に土方さんとか土方さんとか土方さんとかh「俺がなんだって?あ"ん?」あっ居たんですか。」
イラッ
「てめぇなぁ「居たなら話聞いてましたよね。この子は僕の部屋につれてくので」
土方の言葉を遮り言う沖田。
「チッ…………勝手にしろ」
「!!……………明日は嵐ですかね?」
「いや、明日は槍でも降るんやろ?」
沖田と山崎が顔をみあいながら、いう。
イライラ
「……………なんだったら、捨てて「部屋連れてきまーす」
土方が全ての言葉をいう前に山崎から子を受けとり部屋から出ようとする。
「チッ…………総司。そいつが起きたら「分かってますよ。連れてきますから」
スッ
そういい、沖田は部屋から出ていった。