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始まりのダンジョン配信者  作者: 沼口ちるの


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エピローグ:次元を超えた絆

第一節:武の道と光の誓い

闇の帝王が討伐されてから、数週間が経った。


フォルトナの街は、セレスの塔が失われたものの、平和を取り戻しつつあった。大迷宮の次元断層も安定し、異界の魔力は完全に消滅していた。


リリアナは、街外れの道場にいた。そこは、フィリスが武術を教えていた場所だ。道場はそのまま残されており、リリアナが清掃を続けている。


「...フィリスさん。あなたの武の極意は、私の剣の中に、確かに生きています」


リリアナは、フィリスから譲り受けた木刀を握りしめ、かつて教わった『無手の極意』の体軸を意識して、静かに素振りを繰り返した。彼女の剣には、もはや魔力への依存はない。あるのは、武の魂と、愛する人を守り抜いたフィリスの残心だけだった。


その時、道場に勇者アリスが現れた。彼女は、セレスがクライヴの鎧から回収したSランク聖騎士の大剣を携えている。


「リリアナさん。私も一緒に鍛錬していいかな?」アリスは微笑んだ。


アリスの表情から、以前のような明るさは少し失われているが、その瞳には強い決意が宿っていた。


「フィリスさんやクライヴさんは、私たちに未来を託してくれた。私は、光の勇者として、その命を無駄にしない。聖騎士クライヴさんの意志も、この剣と共に受け継ぐ」


リリアナは頷いた。「ええ。あなたの光と、私の剣。私たちは、彼らが守りたかった平和を、武の極意と聖なる誓いで守り続けましょう」


第二節:情報の継承と新たな船出

クライヴが所属していたSランクパーティーの訓練施設は、レンたちの新たなチームの拠点となっていた。セレスは【次元魔力共鳴増幅装置】を改良し、解析と魔力制御の精度を高めていた。


レンは、フィリスとクライヴの犠牲後、初めて本格的な配信を行っていた。彼の顔色はまだ優れないが、そのINTが作り出す解析画面は、以前よりも遥かにクリアだ。


「...視聴者の皆さん。闇の帝王は討伐されました。しかし、私たちはこの戦いで、次元の境界が不安定になっていることを知りました。新たな脅威が、いつ、どこから来るかはわかりません」


レンの隣には、リーナが立っている。彼女は、亡き姉フィリスの道着の切れ端を、自身の工具箱に結びつけていた。


「レンさん。セレスさんの解析の結果、この施設を次元間の観測拠点として最適化できたよ。フィリスお姉ちゃんは、私がこの技術を極めて、誰も傷つかない世界を作るために守ってくれたんだから」


リーナは、涙をこらえ、レンの情報演算ユニットを調整した。


セレスは、クライヴの残した訓練施設を、『次元の平和維持機構』としてギルドに申請した。そのリーダーには、リリアナが就任した。クライヴの意志を継ぐ、リリアナへの信頼が、ギルドの秩序を保ったのだ。


レンは、最後の言葉を視聴者に送った。


レン(配信): 「私は、この世界の情報神として、皆さんの熱狂を力に変え、この次元の平和を守り続けます。この物語は、終わっていません。これは、『次元を超えた絆』が織りなす、新たな物語の始まりです」


第三節:未来への希望

その夜、アリス、リリアナ、リーナ、セレス、レンの五人は、訓練施設の屋上で、遥か夜空を見上げていた。


クライヴとフィリスの遺品は、それぞれの想いと共に、彼らの心の中に刻まれていた。


「フィリスさんの魂は、リーナの中にいる。クライヴさんの光は、アリスの聖剣の中にいる」リリアナが静かに呟いた。


アリスは、レンの肩に寄りかかり、星空を指さした。「レンさん、私たちの世界と、この世界が、繋がっているんだね」


レンは、そっとアリスの手を握った。


「ええ。私たちの絆は、次元を超えました。そして、『異世界配信』は、私たちと地球の視聴者の皆さんを繋ぐ、永遠の『命綱』です」


リーナは、夜空へ向かって静かに誓った。


「お姉ちゃん。クライヴさん。見ていてね。私たちは、あなたたちが守ったこの世界を、希望で満たすよ」


夜空の星々が、まるでフィリスとクライヴの魂のように輝き、五人を優しく照らしていた。


(物語、完)

マジでヤバい。涙が止まらない。


俺たち、ただのゲーム好き、配信好きの視聴者だったんだぜ? それが、レンの配信を見て、コメント打って、ちょっとした熱狂を送っただけで、あの異世界の次元の危機を救う『情報リソース』になっていたなんて。


フィリスとクライヴの犠牲。特にフィリスが妹をかばって、あの闇の力に立ち向かったシーン。レンの解析画面に、フィリスの「武の魂は、次元を超える」って情報が流れてきたとき、もう泣き崩れたよ。クライヴも、最後まで聖騎士としての秩序と光を守り抜いた。あのSランクの勇気が、セレスと増幅装置を守ったんだ。


あの人たちは、間違いなく英雄だ。そして、俺たちはその英雄たちの戦いを、リアルタイムで支えたんだ。


レンのFランクプレートとか、もうどうでもいいよ。あいつは、情報神インフォメーション・ロードだ。あいつのINT極振りこそ、次元を救う最強のチートだったんだ。


塔は崩壊したけど、レンたちには新しい拠点がある。リリアナがリーダーで、アリスが光の盾、リーナが技術、そしてレンが情報。最高のパーティーが残った。


レンが最後に言った通り、この物語は終わってない。次元の扉は開いたままだ。


俺たちは、これからもレンの『命綱』として、熱狂を送り続ける。


この配信は、もはやただの『異世界配信』じゃない。これは、次元を超えたコネクションで世界を繋ぐ、『希望の配信』だ。


これからも、頑張れよ、レン! 俺たちの情報で、あのお嬢様たちを守り抜け!


匿名F (熱狂を送り続ける地球の視聴者一同より)

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