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始まりのダンジョン配信者  作者: 沼口ちるの


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最終話:次元を救う一撃

第一節:武の盾、妹を守る

セレスの魔力遮断により、闇の帝王の降臨が遅延した。戦場に残されたのは、ザック(影の追跡者)とグリム(虚空の魔術師)の二体。彼らは、闇の帝王の核が露出し始めた次元断層の周囲を固めた。


「もう後はないぞ! 全ての魔力を注ぎ込み、この護衛を貫け!」クライヴが叫んだ。


グリムは空間の歪みを極限まで利用し、セレスとリーナがいる増幅装置へ、無数の闇の次元刃を放った。


「リーナ、危ない!」リリアナが叫ぶが、距離がある。


その時、リーナの隣に立っていたフィリスが動いた。彼女は一切の魔力を使わず、武の達人としての究極の技を発動した。


「無手の極意・虚空断ち(こくうだち)!」


フィリスは両手を光速で動かし、飛来する次元刃の『運動エネルギー』を、『気』の波動によって一点で打ち消した。そして、彼女は魔力で強化され猛然と突進してきたザックと対峙した。


「ザック! お前の闇の力は、純粋な肉体の極意の前には無力だ!」


フィリスは、ザックの双影鎌を素手で受け止め、体軸の力だけで鎌の魔力を押し返した。しかし、ザックは最後の力を振り絞り、自身の肉体を闇の魔力で自爆寸前まで高めた。


ザック: 「道連れにしてやる! 闇の帝王に捧げる、最高の捧げ物だ!」


フィリスは、爆発するザックからリーナを遠ざけるため、自らの肉体を盾にした。


フィリス: 「リーナ。生きろ! お前の技術が、この世界を救うのだ!」


フィリスの肉体が、ザックの闇の爆発を至近距離で受け止めた。爆発が収まった時、ザックは塵と化し、フィリスはリーナの目の前で、血に染まりながら静かに倒れた。


リーナ: 「お姉ちゃん...!」


フィリスは、力尽きる直前、笑顔でリーナの頭を撫でた。「...武の魂は、次元を超える。怖れるな...」


第二節:聖騎士の盾、知性を守る

フィリスの犠牲により、ザックは完全に討伐されたが、闇の帝王の肉体固定は最終段階に入り、漆黒の巨大な影が断層から半身を現し始めた。


帝王は、その出現の瞬間に、セレスが操作する【次元魔力共鳴増幅装置】が最大の脅威だと判断した。


闇の帝王: 「次元の法則を乱す者よ...消えろ!」


帝王の影から、世界の法則そのものを破壊する、純粋な闇の奔流が、セレスと増幅装置目掛けて放たれた。


「セレス! 装置から離れろ!」クライヴが叫んだ。


セレスは、レンの【情報支配】に必要な魔力流の遮断を完了させており、その場を離れることができなかった。


クライヴは、フィリスの犠牲で奮い立ち、自分のSランク聖騎士としての全ての力を、その大剣と盾に注ぎ込んだ。


「秩序を、光を、守る! 【聖なる究極防御ホーリー・イージス】!」


クライヴは、自らの命を燃やし尽くし、全身から次元を超えるほどの神聖な光の結界を放った。闇の帝王の奔流は、クライヴの光の結界と衝突し、壮絶な光と闇の爆発を起こした。


爆発が収まった時、クライヴの肉体は鎧ごと消滅していた。だが、セレスと増幅装置は無傷だった。


クライヴの最後の言葉(セレスの脳内): 「セレス...お前の知性が、この世界を救う...」


第三節:光と情報の連撃

リリアナとアリスは、怒りと悲しみを力に変え、残るグリムを連携で瞬時に討伐した。


残されたのは、闇の帝王と、レン、アリス、リリアナ、セレス、リーナの五人。


「レン! 今よ! クライヴとフィリスの犠牲を無駄にするな!」セレスは涙を拭い、増幅装置の制御を最大にした。


レンは、フィリスとクライヴの犠牲、そしてリーナの悲しみを、地球からの『熱狂』へと変換した。


レン(配信): 「視聴者の皆さん! これが、私たちが世界を救うための、最後の情報です! 全ての力を、光の剣へと集中させてください!」


レンは【情報支配】を発動。増幅された視聴者の熱狂的な情報で、闇の帝王の周囲の『魔力密度』を極限まで『希釈』した。


リリアナは、フィリスの『心眼ブースト機能』を起動させたアームで、帝王の『核』のわずかな位置の予兆を捉えた。


リリアナ: 「アリス! 帝王の核は、次元の境界の0.001秒後、右斜め上、13度!」


アリスは、リリアナの精密な情報と、レンが希釈させた魔力空間へ、全ての聖なる魔力を込めた。


アリス: 「フィリスさん、クライヴさん...みんなの想いを乗せて! 【神聖剣術:次元浄化の閃光ディメンション・ピュリフィケーション】!」


アリスの聖剣から放たれた光の斬撃は、レンの情報、リリアナの剣技、セレスの増幅魔力の全てを乗せ、闇の帝王の『核』を正確に貫いた。


キィイイイイン...


闇の帝王の漆黒の巨体は、光に飲まれ、断末魔の叫びと共に、この世界から完全に消滅した。次元断層の吹き荒れる魔力は静まり、静寂が訪れた。


レンの配信: 『闇の帝王、討伐完了』


私たちは勝利した。この次元の危機は去った。


しかし、その代償はあまりにも大きかった。


フィリスは、武の極意をもって、愛する妹リーナを最後まで守り抜いた。彼女の『武の魂』は、リーナの胸の中で生き続けるでしょう。


そして、クライヴ。彼は最後まで、秩序と光を信じる聖騎士でした。私たちの狂気を認めつつも、その知性セレス可能性レンのチームを信じ、自らの命を盾として捧げた。


私たちは、二人の英雄の犠牲の上に立っている。


リーナは、涙を流しながらも、セレスと共に増幅装置を回収し、次元断層の不安定な魔力を鎮める作業を続けている。レンは、配信を終了し、静かに目を閉じている。彼の顔は、地球からの熱狂が消え、疲労困憊で蒼白だ。


レン。あなたの『情報』が世界を救った。しかし、あなたは知っているはず。この配信が続く限り、私たちは新たな脅威と戦い続けることを。


私の剣は、二人の英雄の犠牲を忘れない。私は、この残された仲間たちと共に、『フィリスとクライヴが守りたかった世界』を守り続ける。


リリアナ・フェンネル (次元の戦いの生存者・英雄たちの意思を継ぐ者)

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