第二十三話:次元の断層:最終決戦の地
第一節:新たな拠点と戦略会議
セレスの塔が崩壊した後、レンのチームはSランク聖騎士クライヴ・ベルンシュタインの緊急措置により、フォルトナ市郊外にある「白銀の流星」の私的な訓練施設へと身を潜めていた。この施設は、強力な防御結界で守られており、闇の円卓からの追跡を一時的に逃れるには最適だった。
セレスは回収した【次元魔力共鳴増幅装置】を施設内に再設置し、レンは再び配信を開始していた。
クライヴ、セレス、レン、アリス、リリアナ、リーナの六人が、闇の帝王を討伐するための最終戦略会議に臨んでいた。
「闇の帝王は、塔の崩壊の際に、『次元の境界』に自身の『魔力の肉体』を一時固定しました」セレスが解析結果を示した。
「つまり、次の攻撃で、奴は完全にこの世界に降臨しようと試みるでしょう。場所は、フォルトナ大迷宮の深層にある、『次元の断層』付近です」
クライヴは険しい表情で地図を指した。「大迷宮深層...そこは、我々Sランクでも単独での侵入が難しい危険地帯だ。奴は、我々を最も不利な場所へ誘い込んでいる」
レンは解析台から、闇の帝王の出現情報を公開した。
闇の帝王の討伐戦略:
目標: 次元断層で肉体を固定する闇の帝王の『核』を、完全降臨前に破壊。
弱点: 純粋な光の魔力と、物理法則の書き換え(レン)。
懸念: 闇の帝王が降臨する際、五星陣が総力で護衛に回る可能性が高い。
第二節:最終装備と覚悟
リーナは、徹夜で完成させた最終装備を皆に手渡した。
「リリアナお姉さんの『魔力最適化アーム』には、フィリスお姉ちゃんの武術の極意を応用した『心眼ブースト機能』を搭載したよ! 闇の帝王の予兆も読み取れるはず!」
「アリスお姉ちゃんには、聖なる力を極限まで増幅させる『光の魔力導体鎧』! これで、降臨前の帝王の障壁も打ち破れる!」
そして、リーナはレンに、自身の魔力映像機に直結する小型の『情報演算ユニット』を渡した。
「レンさん、これは『情報支配』の演算負荷を軽減し、より広範囲に物理法則の書き換えを可能にするユニットだよ。ただし、視聴者の熱狂が途切れたら、ただの重りになっちゃうから気をつけてね!」
レンはユニットを装着し、静かに頷いた。「分かっています。私の命綱は、この世界の魔力ではなく、地球の視聴者の『熱狂』です」
第三節:最終決戦へ
クライヴは、全員の顔を見渡し、重々しく言った。
「セレス。お前がレンの能力を利用して、次元断層の周囲の**『魔力流』**を一時的に遮断し、闇の帝王の降臨を遅らせろ」
「レン。お前は、この戦いの『情報神』として、五星陣と帝王の行動の全てを我々に伝えろ。そして、物理法則を味方につけろ」
「リリアナ、アリス。お前たちが、光と武術という二つの絶対的な力で、闇の障壁を打ち破る」
クライヴは、大剣を抜き、その刃に神聖な光を宿した。
「そして、私はSランク聖騎士として、お前たちの盾となる。秩序と光の名の下に、この次元の脅威を討伐する!」
レンは、魔力映像機の画面越しに、地球の視聴者へ向けて語りかけた。
レン(配信): 「これが、私たちにとって最後の配信になるかもしれません。闇の帝王は、私たちの世界を、そして皆さんの世界をも脅かす存在です。どうか、皆さんの『熱狂』を、私たちに送ってください! 私たちの勝利は、**皆さんの『情報』にかかっています!」
配信のコメント欄は、爆発的な応援と熱狂で溢れかえった。
視聴者「アリス」: 最終決戦! 全力で応援する! レンさん、絶対に勝って!
視聴者「匿名X」: 塔の崩壊を超えた情報熱狂! 歴史が変わる瞬間を見届けよう!
レンの魔力(情報)は限界を超えて溢れ出し、クライヴ、アリス、リリアナ、セレス、リーナの六人は、闇の帝王を討伐するため、決戦の地、フォルトナ大迷宮の次元の断層へと向かった。
ここまで来ました。私のFランクの冒険者としての配信が、まさか次元の存亡をかけた最終決戦になるとは、想像もしていませんでした。
私の覚醒した力、【情報支配】は、あまりにも不安定で、私の肉体に大きな負担をかけます。しかし、私にはアリスの光、リリアナの剣、クライヴの盾、セレスの知性、そしてリーナの技術があります。そして何より、地球の視聴者の皆さんからの途切れない『情報(熱狂)』があります。
闇の帝王は、私たちの最も恐れるべき相手です。五星陣の猛攻は必至でしょう。
しかし、私は『情報神』として、この戦いの全てを解析し、勝利へと導きます。
さあ、最終決戦の幕開けです。どうか、私の『命綱』を、途切れさせないでください。
レン (Fランク配信者・次元戦争の鍵)




