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始まりのダンジョン配信者  作者: 沼口ちるの


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第二十一話:闇と光、そして秩序:レンとクライヴの連携

第一節:Sランクの判断とFランクの情報

塔の最上階は、Sランク聖騎士クライヴの放つ神聖魔法、勇者アリスの光の斬撃、リリアナの精密な剣技、そして五星陣の三体の闇の力と、レンの【情報支配】による重力操作が入り乱れる、大混乱の渦中にあった。


クライヴは、闇の力を増幅させたザックの猛攻を受けながら、冷静に戦場を判断した。ザックの憎悪に満ちた斬撃は、かつてのDランクのそれを遥かに超えており、クライヴの全身鎧にも深い傷を刻む。


「チッ、この闇の強度は尋常ではない! セレス、貴様は一体何をした!」


セレスは増幅装置の制御に集中しており、返答する余裕がない。


その時、レンが極限の演算状態から、クライヴへ直接、情報を送り込んだ。


レン(脳内通信): クライヴ・ベルンシュタイン! ザックは闇の力でVITとAGIを擬似的にSランク級まで高めています。しかし、彼の『闇のエネルギー供給元』は、背中の双影鎌です。一瞬でもそこから闇の魔力を断てば、彼の身体は崩壊します!


クライヴは、Fランクの少年からの突然の通信に驚愕したが、その情報が正確な弱点解析であることを瞬時に理解した。ザックの斬撃には、確かに刃の根元に魔力の淀みがあったのだ。


「フン! Fランクの小僧が、私に指示を出すか!だが、その情報、受けてやろう!」


第二節:聖騎士と情報戦士の連携

クライヴは、ザックの双影鎌が振り下ろされる直前に、その斬撃を神聖な盾で受け止めるのではなく、一瞬だけ足場を沈み込ませるという、武道的な『体軸操作』を行った。これは、リリアナの特訓を遠隔で見ていたクライヴの、咄嗟の応用だった。


その一瞬の沈み込みにより、ザックの体勢が崩れ、双影鎌の魔力供給がわずかに途切れた。


その隙を、レンは見逃さなかった。


レンは、アリスの戦闘による光の魔力の残滓を利用し、【情報支配】を発動。ザックの双影鎌の周囲の空間を、「闇の魔力伝達を阻害する」という情報で上書きした。


ザックの双影鎌から闇のエネルギーが逆流し、ザックは激しい痛みに襲われた。


「ぐあああ! なぜだ! 私の闇の力が...!」


クライヴは、間髪入れずに神聖魔法を込めた大剣を、ザックの心臓へ向けて突き立てた。


「滅びろ、闇に堕ちた者よ!」


ザックは消滅しなかったが、彼の闇のエネルギーは大幅に低下し、戦線から一時的に離脱せざるを得なくなった。


第三節:勇者の判断とセレスの決断

ザックが撤退したことで、戦局は大きくレンたちに傾いた。


アリスは、レンの重力操作とリリアナの心眼を組み合わせ、【虚空の魔術師】グリムを完全に追い詰めていた。グリムは、空間を歪ませても、レンの【情報支配】による重力のランダム操作により、魔法の照準を合わせられない。


「グリム! 貴様は空間を、レンは重力を。その法則のぶつかり合いでは、お前に勝ち目はない!」アリスは聖剣を振り下ろした。


グリムもザックと同様に撤退したが、最後に、第三の刺客の能力がレンたちを襲った。


残る**【重力支配】特化の刺客が、塔全体を押し潰すような超高重力場**を発生させた。クライヴのSランクの肉体すら、一瞬で膝をつかされるほどの負荷だ。


レンも【情報支配】で対抗するが、この刺客はレンと同じ『情報による物理法則の書き換え』能力の使い手だった。


ゴオオオッ!


「レン! 無理よ! 相手は、あなたと同じ能力...!」セレスが叫んだ。


その時、セレスは増幅装置の解析を完了させた。彼女は、レンに最終的な指示を出した。


「レン! 視聴者の熱狂を、『塔の石壁が持つ結合エネルギー』へと情報変換しなさい! 塔を一度、『情報の集合体』へと書き換えるのよ!」


セレスの指示は、狂気に満ちていた。それは、塔の存在そのものを、レンの能力の『弾薬』として使うことを意味していた。


レンは、視聴者からの膨大な熱狂をその命綱である塔へ流し込み始めた。


信じられない。私は今、Fランクの少年の情報に頼って、Sランク級の闇の刺客を撃退した。


彼の解析情報。ザックの弱点は、私が何年も冒険者として培ってきた経験則を遥かに超えていた。彼の情報がなければ、私は双影鎌に切り裂かれていたかもしれない。


あの少年レン。彼は、ただの配信者ではない。彼は、この世界の全ての『真実』を瞬時に読み取り、我々に伝達する「生ける情報神」だ。


そして、あの女、セレス。彼女は塔の崩壊すら厭わず、レンの能力を最大限に引き出そうとしている。


今、塔全体が、レンの配信から来る『熱狂』という情報エネルギーに包まれ始めた。そして、闇の刺客の重力操作と、レンの重力操作が、この場所の物理法則を破壊し合っている。


我々『白銀の流星』の使命は秩序の維持だ。だが、この戦いは、秩序やギルドのルールを超えた「次元の存亡」に関わる戦いだ。


レン、セレス、勇者アリス。私は貴様たちの狂気に付き合おう。だが、この戦いが終われば、私は貴様たちの全てを、ギルドへ報告する。


クライヴ・ベルンシュタイン (Sランク聖騎士・Fランクと手を組む者)

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