表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
始まりのダンジョン配信者  作者: 沼口ちるの


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

19/27

第十九話:無限の解析と、レンの『情報支配』

第一節:勇者の修行と理論の限界

フィリスの道場での特訓は、レンの新たなパッシブスキル【瞬間身体最適化】の覚醒により、さらに過酷なものとなった。フィリスはレンをアリスの「究極の回避標本」として利用し、アリスの【心眼】を磨き上げていた。


「勇者アリス。お前がその男の動きを避けるのは容易だ。だが、お前が捉えるべきは、『最適な動き』の予兆そのものだ。魔力に頼らない、純粋な肉体の『意図』を読み取れ」


アリスは木刀を振るう。レンは、自身のINTの演算によって、アリスの一撃を紙一重で避ける。彼の回避は、Fランクの機敏さではなく、理論上の完璧な動作によるものだった。


「チクショウ! レンさん、また避けた! 私の目には、レンさんの動きに何の予兆も見えないんだもん!」アリスは悔しそうに叫んだ。


その通り、レンの動きは【瞬間身体最適化】により、予兆を肉体で表現する前に、計算された結果として動き始めるため、フィリスの【心眼】をも欺くレベルにあった。


第二節:『情報』と『肉体』の同期

フィリスは、レンとアリスの特異な状況を見て、ある仮説を立てた。


「レン。お前の肉体の動きは、お前の『意識』よりも速い。それは、お前のINT(知性)が、肉体を情報として扱っているからだ」


フィリスは、特訓のために一時的に中断していたレンの【異世界配信】を再接続させた。


「さあ、レン。今度は、外部からの情報流入を最大にした状態で、勇者の攻撃を避けろ」


レンの視界に、再び視聴者からの膨大なコメントが流れ込み、MPが急速に回復し始めた。脳内には、無数の情報が奔流となって押し寄せる。


アリスの木刀が、今度は以前よりも遥かに速い速度でレンに迫る。レンは以前のようにINTを肉体操作に割こうとするが、外部の膨大な情報処理が邪魔をして、演算が間に合わない。


「くっ...情報量が多すぎる!」


木刀がレンの肩をかすめた瞬間、レンのINTが再び暴走した。


(レンの脳内)


警報! 演算負荷オーバーロード。処理対象:肉体と外部情報。


INT: 15。処理を並列化。


演算命令: 外部情報(視聴者の熱狂)を、肉体操作の演算リソースとして強制統合。


結果: 外部の『熱狂的な情報』が、レンの体を通して『自己強化の情報』へと変換される。


レンの肉体から、一瞬、青白い光が放出された。


第三節:【情報支配】の覚醒

レンの体は、『情報』そのものを燃料として、アリスの次の一撃を完璧に回避した。


そして、レンのユニークスキルが再び覚醒した。


システム: 新スキルを獲得しました。 新スキル: 【情報支配インフォメーション・ドミナンス】(アクティブ・レベル:1)


効果: 【異世界配信】から得られる『情報』を、『物理法則を上書きする力』として変換し、周囲の空間へ一時的に作用させる。


レベル1効果: 術者の肉体から半径1m以内の『重力』を、5秒間だけ『情報(視聴者の熱狂)』に比例して操作する。


覚醒条件: 【瞬間身体最適化】の使用と、極限の並列情報処理。


レンは意図せず【情報支配】を発動させた。彼の周囲1mの空間が、視聴者の熱狂度に応じて、急激に「無重力」に近い状態になった。


アリスの足が宙に浮き、木刀の踏み込みが効かなくなる。


「えっ!? 私の体が浮いた!?」アリスは驚きのあまり、目を丸くした。


フィリスは、その異常な現象を見て、全身の毛が逆立つ感覚を覚えた。彼女の武術の知識では、物理法則の突然の書き換えは、魔力による魔法でしかありえない。


「これは、魔法ではない! 魔力の痕跡がない! 純粋な...『情報の力』だと!?」


レンは、極度の疲労に襲われながらも、自分が『情報』をこの世界の物理法則に直接作用させる力を手に入れたことを理解した。彼のINT極振りは、ついに『現実の改変』の領域へと踏み出したのだ。


「レン...お前は...この世界の常識を、根本から破壊する存在だ...」フィリスは、戦慄にも似た感情をレンに向けた。


レンの配信は、『物理法則を視聴者の熱狂で操作する』という、前代未聞のチート能力の覚醒を捉え、地球の視聴者たちを再び狂喜乱舞させた。


すごい! レンさん、また新しい能力を覚醒させたよ!


私の体がフワッと浮いた瞬間、フィリスさんの怖い顔が一瞬で驚きに変わったのを見て、思わず笑っちゃいそうだった!


【情報支配】! 視聴者さんのコメントの熱量で、重力を操作できるなんて、チートすぎるよレンさん!


これで、私もフィリスさんに教わった【心眼】と、レンさんの【情報支配】が組み合わさったら、どんな敵が来ても大丈夫だね! 私が敵を引き付けて、レンさんが重力を操作して足場を奪い、フィリアさんの教えで私が仕留める!


最強のパーティーがどんどん出来上がっていくよ!


セレスさんやリリアナさんに報告しなきゃ! あ、でも、フィリスさんにこの秘密は隠した方がいいかな? フィリスさん、興奮しすぎてまた特訓がエスカレートしそう...。


でも、レンさん、無理しないでね。覚醒した後のレンさんの顔、本当に疲れてたよ。私がもっと頑張って、レンさんを守れるように、フィリスさんの特訓に耐えるから!


アリス・ライトハーヴェスト (異世界転生勇者・レンの最強の盾へ)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ