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始まりのダンジョン配信者  作者: 沼口ちるの


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第十一話:闇の帝王と五星陣の誕生

ザックは、闇の研究員によって全ての魔力を抜き取られ、廃墟の地下室で意識を失っていた。


彼の体は生命維持に必要な最低限の機能しか残っておらず、冒険者としてのステータスは完全に崩壊していた。


彼の意識が途絶えかけた時、漆黒の巨大な影が彼の前に現れた。


その存在は、この世界の法則を超越した、純粋な「闇の魔力」そのものだった。


周囲の空間の魔力が、その影に吸い込まれていく。


「…ふむ。レンの魔力周波数に最も近く触れた者か。惜しい。このままでは、ただの屍塵となる」


低く、しかし世界全体に響き渡るような声が、ザックの意識の底に届いた。この人物こそが、非合法組織『影の円卓』を統べる闇の帝王だった。


「レンの秘宝を手に入れるためには、彼に近い、強力な駒が必要だ。セレス・リーゼロッテやクライヴ・ベルンシュタインは、我々の目的には純粋すぎる」


闇の帝王は、ザックの肉体を見下ろした。


「この男の内に秘められた『欲望』と『憎悪』。それが、あのレンの持つ『情報』に匹敵する、強力な駆動源となるだろう」


闇の帝王は、その漆黒の指先をザックの額に触れさせた。


瞬間、ザックの体内を、今まで感じたことのない、濃密で粘着質な「次元外の魔力」が奔流となって駆け巡った。


それは、レンの配信で得られる魔力とは全く異なる、「異界の負の力」だった。


「与えよう。お前の憎悪を力に変える、闇の賜物を」


ザックの崩壊寸前だったステータスが、驚異的な速度で再構築されていく。


ザックのステータス再構築: レベル: 26 → 50(強制上昇)

クラス: 【ハンター】 → 【影の追跡者シャドウ・チェイサー

スキル: 【気配遮断】Lv.MAX、【影潜行】Lv.MAX、【次元追尾】Lv.1(新規)

魔力(MP): 無限に等しい闇のエネルギーに置換されました。


ザックの体は急激な変化に耐えるため、全身の皮膚が黒い鱗のような硬質の組織に覆われた。


背中に背負っていたシックルは、闇の魔力を吸収し、禍々しい「双影鎌ツインシックル」へと変貌した。


闇の帝王は告げた。


「お前は、今から我が組織の最精鋭幹部『五星陣ファイブスター』の一員となる。お前の使命は一つ。あのレンの持つ無限のエネルギー源を、いかなる手段をもってしても奪い取ることだ」


ザックは目を開いた。


瞳の奥には、以前の欲望に加え、闇の力によって増幅されたレンへの激しい憎悪が燃えていた。

彼の意識は、レンを狩るというただ一つの目的に支配されていた。


「…レン…」ザックは低い声で呻いた。「必ず…狩り殺して、秘宝を奪い取ります…帝王」




レンは依然としてセレスの研究室にいた。


セレスは彼の魔力映像機に手を加えることで、新たな魔導具の設計図を完成させていた。


「できたわ、レン。あなたの『ライブ・マナ・コンテナ』としての能力を最大限に引き出すための【次元魔力共鳴増幅装置ディメンショナル・リゾネーター】よ」


それは、レンの魔力映像機を核として、周囲の魔力障壁すら利用して、地球からの魔力供給をさらに安定させるための巨大な複合魔導具だった。


「この増幅装置があれば、あなたをここから出す必要もない。永遠に、私の研究の中心にいてくれるわ」


リリアナは、セレスの狂気じみた言動に恐怖を感じていた。


「セレス! 彼を本当に監禁するつもりですか!」


その時、塔の最上階、セレスの研究室の頑強な魔力障壁に、今まで感じたことのない異質な魔力の波動がぶつかった。


ドン!


障壁は微かに揺れ、セレスは初めて研究の手を止めた。


「何? この魔力...次元の境界を汚染するような、不純な闇の波動…」


セレスの表情から余裕が消えた。


その魔力は、彼女が過去に遭遇した、全ての魔物や敵対勢力の魔力とは異なる、「異界の負の力」の気配を帯びていた。


レンの【異世界配信】スキルも、新たな脅威の接近を捉えていた。


情報解析:

対象: 影の追跡者ザック

レベル: 50(異常値)

状態: 次元追尾スキルによる塔への侵入を試行中。

目的: 術者レンの捕獲。


レンは悟った。ザックはただのDランクハンターとしてではなく、組織の幹部として、彼を奪いに来たのだ。


そして、彼の力は、Sランクのセレスの研究室を脅かすほどに増幅されていた。


ふざけるな、セレスめ。


我々『白銀の流星』は今、中級迷宮区の奥で、セレスのわがままの尻拭いとして討伐を続けているというのに、あの女は塔の上で何をしている。


巨大な魔力の衝突? セレスの研究室から発せられている、あの異質な闇の波動はなんだ。


あれは、単なる魔物の力ではない。


セレスの解析能力は認めるが、彼女は根本的に戦闘を軽視しすぎている。


あの波動は、私がこれまでの冒険で出会った、最悪の敵に匹敵する、極めて危険な闇の魔力だ。


あのFランクの少年、レン。


彼の持つ秘宝が、まさかこんな大きな組織の標的になっていたとは。


チッ。


リリアナが彼と共にいる。


あの女剣士は、セレスの狂気に巻き込まれて死ぬには惜しい人材だ。


すぐにフォルトナ市街へ戻る。


セレスの暴走と、新たに出現した闇の脅威。このSランクの聖騎士が、全てを鎮圧してやる。


クライヴ・ベルンシュタイン (Sランクパーティー「白銀の流星」リーダー)

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