表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
始まりのダンジョン配信者  作者: 沼口ちるの


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

10/27

第十話:闇の刺客とザックの悲劇

レンは、セレスの研究室にある特別製の解析台に座らされていた。彼の周囲は魔力障壁に囲まれており、完全に自由を奪われていた。


リリアナは別の障壁内に、リーナは解析台の横に設置された作業台で目を輝かせている。


セレスは、レンの魔力映像機を特殊な魔力レンズを通して解析しながら、レンに命じた。


「レン、配信を継続しなさい。その方が、魔力の流れが活発になる。私があなたの魔力を研究する上で、協力的な視聴者は不可欠よ」


レンは現状を受け入れ、淡々と配信を再開した。


配信タイトル: Sランク大魔導師の研究室から配信! 魔力解析のライブ中継! 現在の視聴者数: 2,000名(爆増中)


視聴者「アリス」: マジでセレスさん映ってる! Sランクがレンさんを実験台にしてるってこと!? 興奮する!


視聴者「匿名Z」: 生きた魔力貯蔵庫ライブ・マナ・コンテナ...この設定、神。もっと解析情報を出してくれ!


レンの魔力は再び溢れ出し、セレスの研究を加速させた。レンは、この拘束状態すらも、彼の配信コンテンツとして昇華させることに成功したのだ。



一方、フォルトナの塔の裏側で、ザックは全身の痛みに耐えながら、レンの魔導具を奪う次の計画を練っていた。


Sランクの理不尽な力に屈した屈辱が、彼の復讐心を燃え上がらせていた。


「必ず、あの秘宝を手に入れる...」


ザックが呻いた瞬間、周囲の闇が一層濃くなった。


背後から、一切の足音を立てずに二つの影が忍び寄っていた。


彼らは全身を黒いフードで覆い、ギルドとは異なる不気味な魔力を放っていた。


情報解析(強制発動):

対象: 闇の刺客(影の兄弟) × 2体

クラス: 【暗殺者】 レベル: 45, 46

所属: 『影の円卓』 (未確認) 状態: 敵意、捕獲任務


レンの【異世界配信】スキルが、間接的にザックの危機を捉えた。


しかし、レンは研究室の解析台に固定されており、警告を発する手段がない。


ザックはハンターとしての鋭敏な勘で危険を察知し、辛うじて身を翻した。


しかし、レベル40を超える暗殺者の動きは、彼のDランクの敏捷性を遥かに凌駕していた。


「遅い」


一人の刺客が放ったのは、鋭い短剣ではなく、魔力を帯びた鎖だった。


鎖はザックの四肢に絡みつき、彼の動きを完全に封じた。


もう一人が懐から取り出したのは、麻痺作用を持つ毒の針だった。


「レンの秘宝を狙う、余計な獲物だな」


刺客たちはザックの口に猿轡を噛ませ、彼の全身から情報を読み取った。



数時間後、ザックはフォルトナ市郊外にある廃墟の地下室に拘束されていた。


彼の四肢は強固な鎖で天井から吊るされ、目の前には、白衣を着た痩身の男が立っていた。


男の目は、ザックを魔物以下の「実験体」として見ていた。


「名前はザック、Dランクハンター。目的はレンの秘宝の横取り...ふむ、大した情報は持っていない」


白衣の男は『影の円卓』に所属する非合法な研究者だった。


彼らの目的は、レンの持つ【異世界配信】スキル、すなわち「無限魔力」の秘密を解き明かし、それを自分たちの組織の戦力に組み込むことだった。


「お前は、レンの『秘宝』に最も近く接触しようとした一人だ。ならば、その秘宝の情報を入手する手がかりとして、お前の肉体を使わせてもらう」


研究者は、ザックの腕に、巨大な魔力吸収用の針を突き刺した。


「まずは、お前の魔力を全て吸い上げて、レンの魔力周波数とどれだけ乖離があるかを確認する」


激しい激痛と魔力喪失感に、ザックは絶叫しようとしたが、猿轡がそれを許さない。


彼のステータスは急速に低下していった。


ザックのステータス低下: レベル: 28 → 27 → 26...

魔力(MP): ゼロに収束中。

状態: 魔力枯渇、瀕死。


ザックの体から抜き取られた魔力は、隣の解析装置に送られ、レンの魔力周波数と比較されていた。


ザックは、自分がレンという「次元外の存在」に接触しようとしたが故に、命を落とそうとしていることを悟った。


そして、闇の研究者の男は、冷酷な目で解析結果を見つめていた。


「レンの周波数は、やはり規格外だ。だが、このDランクの魔力を全て吸い上げたことで、レンの持つ次元間の『魔力流の抜け穴』の方向性を特定できた。これで、レンの秘宝を奪う準備が整ったぞ」


ザックは、意識が途絶える寸前、自分の無謀な欲望が、より大きな闇の組織に利用されたことを知るのだった。



素晴らしい、実に素晴らしいデータだ。


あのDランクの冒険者、ザック? あのような取るに足らない存在の魔力を全て抜き取ることで、我々はレンの次元を繋ぐ周波数の座標を特定することができた。


生きた実験体としては、上等な働きをしてくれた。


セレス・リーゼロッテめ、あんなに貴重な検体を、自分一人の研究のために独占しようなど、愚か極まりない。レンの持つ無限魔力の源流は、我々『影の円卓』が独占し、世界を支配するための鍵だ。


現在、レンはセレスの塔にいる。 Sランクの警備は厄介だが、セレスが研究に没頭している今こそが、彼を奪取する最大のチャンスだ。


ザックの犠牲は、我々の成功への確かな礎となる。


次のターゲットは、次元の情報を持つ【次元間情報収集者ディメンショナル・インフォーマー】、レンだ。


白衣の男 (『影の円卓』所属 魔導研究員)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ