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千秋楽まで、あと  作者: 春野 治
公演開始まであと、1ヶ月
5/8

落し物リスト①:とあるゼネコン




 企業名:大手ゼネコン「堀内建設」

 内容:インサイダー取引

 概要:未発表の精度不良・施行不良を発見した執行役員(竹原 秀雄 氏)による株の売却

 対応/処理:執行役員に事情聴取。非合法GMHへの関与及び危険思想への傾倒傾向が認められたため、のちに神奈川県横浜市内での███として処理。監視カメラ及び公的措置対応済。

 備考:会社と名取家の公式関与は無し。しかし、執行役員が顔を出していたパーティに名取 瞬一(なとり しゅんいち)の主催としての出席を確認。また、竹原氏から約10%に非合法アンチエイジングが認められた。




 

 【以下ボイスレコーダーの記録】


 

 『なんだぁ?また別の刑事さん?』

 『ええ、そんなところですね』

 『あのねぇ……何度も言ってるけど、こんなの心当たり無いんですって!わかるでしょ?ウチはスーパーゼネコンに入る超大手!こんなしょうもないことする訳無いでしょうが!』

 『貴方の言いたいことは理解できます。ですが、犯罪者は皆やるはずが無いと言い張るんですよ』

 『じゃあどうしろってんだ!!そもそもやってない事を証明するなんて無理に決まってんだろうが!』

 『ええ。貴方はこのままいけば()()()()で逮捕されるでしょうね』

 『……は?い、いまなんて……』

 『取引をしましょう。竹原さん……でしたね。今から聞くことを全て包み隠さず話して下さい。よろしいですね?』

 『っ…本当になんだってんだ……』

 『もう一度だけ聞きます。よろしいですね?』

 『あ、ああ……』

 『2週間ほど前、こちらのパーティーに参加されておられましたよね』

 『……どこでそんなことを……』

 『質問しているのは私だ。答えて下さい』

 『た、たしかに参加したが……』

 『主催の方とは会話をしましたか?』

 『え、いや……瞬一さんには会えなかったよ』

 『それは本当ですか?』

 『あ、ああ。本当だ』

 『……なるほど。では何故貴方の銀行口座から500万円も”鏡華サロン”に振込があったのでしょうか』

 『俺だってお会いしたかったんだ。でももう支払いの話は済んでいたし……会わずとも入金をした。それだけだ』

 『分かりました。では、貴方は一体何に出資なされたんですか?』

 (10秒ほどの沈黙)

 『……黙秘ですか?それともこの取引を中止にしたいのですか?』

 『……俺は、瞬一さんの考えに圧倒されたんだ……』

 『質問に答えて下さい』

 『なあ、話せることは話した!もうこれで取引とやらも成立しただろ!?』

 (机を強く叩く音)

 『話を逸らすな』

 『…………』

 『何に出資した?』

 『…………』

 『なるほど。貴方は出資内容を後ろめたいことだと思っている。そうだな?』

 『ちがう!そんな訳ない!!ありえない!!』

 『じゃあなぜ答えられないんだ?これに答えるだけで無実のインサイダー取引の容疑からだって”解放”されるのに』

 『わかった!わかったから!……しゅ、瞬一さん()()のバイオデータサイエンス研究費と、再生施術だよ。最近どこかの医療センターで話題になってたやつ。あれを先取りして貰えるらしくて……』

 『へえ……なるほど。()()()()()()()()()()()()()()()

 『なあもうこれでいいだろ!?あんまりペラペラ話すなって口止めされてたんだ!これ以上は瞬一さんに迷惑がかかる……!』

 『ああ、そうだったな。ご苦労さま』

 『はあ……良かった……これで――』


 『約束通り解放してやる。六助、入っていいぞ』

 

 『……え』

 


(音声記録終了)

 

 

 


 


 

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