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古代竜王

 ムサシがドラゴンに合う少し前。

 

 「魔王よ、妾の配下が大変世話になった様だな」

 「古代竜王か?あのヒヨッコが大きな口を聞く様になった」

 「魔王よ、そろそろ世界征服なんて夢物語を諦めろ、矮小なる人族など構っているから半端者が妾とお主との調停迄破る始末だ。これ以上の被害は妾が許さぬぞ」

 「吐かせ。あんな口約束など何時迄も守ってやると思ったか?」

 「殺すぞ」

 「やってみろ。返り討ちに会うのはお前の方だ」

 「聖極大魔法 天照(アマテラス)

 聖魔法最大の攻撃魔法天照、天より照らす聖なる光は魔なる者を消滅させる。

 「ガアァァァ」

 血を流すものの魔王は未だ立っている。

 「化け物め」

 「なかなかに効いたわ。血を見るのも久方ぶりだ。此方も本気で相手をしてやろう」

 「|絶殺《アブソルートリーキル」

  絶対に殺すと宣言すると言うスキルであり、唯一無二の魔王専用スキルである。

  絶殺は攻撃を一度加えた者を殺すと経験値10倍になる。

 但し、絶殺から逃げられると、貰える筈の経験値分失う。

 そして、絶殺は永遠に消えることは無い。

 10年経とうが100年経とうが魔王が殺せば経験値10倍、しかし他人が殺すと、100倍の経験値が入る。

 ハイリスクハイリターンであるが、現魔法は一度足りとも逃げられた事が無い、その油断や慢心が引きこおした逃亡劇である。


 魔王は古代竜王に一発二発と攻撃を見舞う。

 致命傷の傷を負いながらも魔王に攻撃する古代竜王。

 攻防はそれほど長くは続かなかった。

 魔王の三発目が腹部を切り裂いた。

 

 「此処まで成長していましたか…」

 「ふん、そろそろ死ね」

 「いえ、貴様のスキル絶殺は知っていますよ。このまま死ぬ訳には行きません」

 「そうか。それで?どうやって逃げる?」

 「簡単な事です。妾のスキルは貴様には分かるまい」

 「なに?」

 「ウフフフ」

 「逃げられるなら逃げてみろ」

 「異世界転移」

 「い、異世界転移だと?」

 「貴様には経験値をくれてやる訳にはいなぬのだ。さらばだ古き友よ」


 この日、古代竜王は地球へと渡った。

 そこで1人の少年に出逢う。

 

 少年は怯えていた様だが、妾の最期の願いを聞き入れてくれた。

 そして、妾の子は妾を知らずに産まれる。

 母を知らぬ子よ。


 妾は其方の幸せを心から願う。

 そして、妾の願いを叶える異世界の子よ。

 魔王にこれ以上経験値を与えぬ為とは言え、重荷を貸してしまうかもしれない。

 どうか其方にも幸があらん事を。

 「古代竜王の加護を与えました」

 世界の言葉よ。

 神よ。

 妾の子にも加護を与えて欲…し…

 「古代竜王加護を与えました」

 


 今は昔、人に崇められた光竜がいた。

 その竜は人と共に在り、癒しの竜と呼ばれ信仰の対象だった。

 しかし、竜を巡って争いが起き多くの者が死んだ。


 光竜は人里から離れ、人は光竜を信仰しなくなった。

 それでも光竜は人を助けた。

 しかし、人は光竜を恐れ討伐に乗り出したのだ。

 

 かつて人に崇められた光竜は怒り人を殺して国を堕としてしまう。

 恐怖の対象となった光竜はそれからも見境なく暴れ回っていたのだ。

 

 そして数百年経ったある日、古代竜王が統べる竜の里を知る。

 全ての竜の里である。

 初めて知った竜の里は多種多様な竜が暮らす平和な里だった。

 彼女は知る筈もない里だった。

 何故なら人間に育てられた竜だったからだ。


 竜の里で暮らして数千年、光竜は古代竜王となった。

 それからはその代の魔王と人族の王との調停者として、全ての種族から絶対的な支持を集めた。

 

 しかし、それも長くは続かなかった…現魔王に致命傷を受け異世界で殺された。

 そして、古代竜王を殺した者が次代の古代竜王なるのは必定。


 史上初の竜以外の古代竜王。

 竜の里は未だ王の死を知らない。

第一章が終わりました。

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