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2人目の不老者

オークション当日。

 当日はギルマスと共にVIP席へ案内された。

 大陸中の王侯貴族やその配下、大商会の会頭等がいる中に、筋肉ダルマのギルマスと俺が座る。

 隣には陛下とその家族が陣取る。

 

 「競り落としたければこの札を上げろ」

 「そんな金無いですよ」

 「今回、出品してるから落札金額から引いてもらえるぞ」

 「オークション出品手数料はどれくらい取られるんですか?」

 「出品者とその関係者は無料で入れるがそれ以外は入場料10万取られるんだ。それをここの運営費に充ててるから出品者から取る様な事はないぞ」

 「そうなんですね」

 「勿論、このオークションが国営だという事、この国が大陸有数の金持ちだと言うことが大きいがな。他の国なら下手すると落札金額の20%は取られるから気をつけろ」

 「そうなんですね」


 そんな会話をしていると、オークションが始まった。

 先ず最初は武器や防具、そこそこ良いものが出ているが、今の装備の方が断然いい。


 次は宝石、装飾品関係。

 今回は、王国の宝物庫から十数点出された。

 どれも国宝級の宝石、装飾品が数十億から100億単位で飛ぶ様に売れる。

 

 午前の部の最後は、ポーション等の薬関係。

 ダンジョン産のハイパーポーション等を数点落札した。

 一度、昼休憩を挟んで、午後の部。

 最初は奴隷だ。


 今回はドワーフや獣人、エルフ、人族の奴隷が多数出品された。

 この国の奴隷は借金奴隷、困窮者の身売り、又は口減らし、そして犯罪奴隷だ。

 大陸法、王国法の両方で奴隷の人権が守られていて、成人の16歳までは販売が禁止されている事や人間の常識範囲内の命令以外は主人が犯罪となる等、奴隷商、主人共には守らなくてはならない事がある。

 但し、犯罪奴隷の一部は当てはまらない。


 大陸法とは、大陸内の国々のトップが年に一度会談する場で決定する法である。

 有名な所では戦争の略奪、虐殺禁止法や、敗戦国の国民又は領民の保護法、亜人の人権又は平等法、奴隷の人権法等がある。


 

 正直、奴隷に興味はなかったのだが…。


 「さて、最後は奴隷部門のメインとなりますのは、ハイエフルです。名はエーファ。ハイエルフは王族ですが、このエーファは先祖帰りとなります。親に口減らしの為に売られました。不老種で永遠にこの若さと美貌を損なうことはありません。現在16歳で処女です。では始めましょう。5千万からです」

 一気に釣り上がる値段。

 億を超えると少しずつ入札者が減る。

 「不老か…俺と同じだ」

 「3億円です。いらっしゃいますか?」

 「はい」

 「はい。そちらの方。では3億1千万」

 「ふん」

 「はいでは3億2千万」

 「10億だ」

 「ありがとうございます。現在10億です。では11億。いらっしゃいますか?」

 「くっ」

 「いらっしゃらない様なのでそちらの方で決まりました」

 「「おー」」

 

 「ムサシも男の子だな」

 「やめてくださいよ。ギルマス」

 「アハハハ。どうやら奴隷部門の過去最高金額だそうだ」

 

 奴隷部門が終わると、最後は魔物の部位や死体、騎乗に適し、慣らした魔物である。

 様々な魔物が出品され、高額で取引される。

 ギルマス曰く、王侯貴族が見栄の為にマットにしたり、剥製にして飾るのだと言う。


 「さぁ次は騎乗部門のメイン、騎乗最高峰の飛竜です。此方は最上位騎乗スキルが必要ですのでご了承下さい。では、千から」

 「千5百…2千…2千5百…3千」

 最上位騎乗スキル持ってるよね?

 「はい、隠蔽で上位騎乗スキルに偽っていますが…」

 札を上げるかな…クソまたあの貴族と競り合いかよ。

 「これまでの落札又は競りを考えると、相当な見栄っ張りの様です。最高とか、この世に一つとかそんな者に執着している様ですね」

 なら本命は光竜か?

 「そうかもしれませんね」

 

 競は続き漸く諦めたのか5億で落札出来た。


 

 大物が出る度に白熱するオークション。

 そして、会場中を熱狂させる最後のオークション。

 「さて、今日の最後のメインイベントの登場です。グラファスト辺境伯領の冒険者の出品、光竜です」

 会場の熱が上がる。

 「さて、光竜と言っても一回りも二回りもちがいます。このドラゴンは古代竜王です。この世界に1匹の大変珍しい光竜となります。死して尚、光輝く鱗は、どんな加工をしたとしてもこの光は失われません。さて、それではオークションを始めましょう。10億からとなります」


 10、20、30、40、50…100…

 数人の貴族と王族が競り合う。

 最終的にはあの見栄っ張り貴族と国王が競り合う。

 「では、アシュタル王国国王アルバハートⅢ世様が1000億で落札致しました」

 「「おぉー」」

 「うむ、この為に国宝売った様なものだな」

 VIP席のど真ん中に座る国王家族が会場中から祝福される。

 勿論、オークション史上最高額である。

 

 加工に数ヶ月を要し剥製になった光竜は王城のエントラスに配置され、王族の権威の象徴となった。

 その輝きはアシュタル王国と共に永遠に続いたのだ。


 俺は奴隷の代金とポーション類と飛竜を合わせて25億ゴードルを引かれた975億ゴールドを手にした。

 

 「この度はお買い上げありがとうございます。ユザユルと申します。この王都で奴隷商を営んでおります。御用の際はこちらを受付に渡して下さい。私が誠心誠意ご対応させて頂きます」

 渡されたのは紋章の入ったメダルだった。

 「ありがとうございます」

 「準備が整ったようです。エーファ此方へ来なさい」

 「はい」

 綺麗に着飾られたエーファが俺の前に立つ。

 綺麗な金髪に白い肌、スタイルは抜群である。

 

 「それでは、奴隷紋を施しましょう。エーファ腰を出しなさい」

 「はい」

 上着をたくし上げるエーファ。

 腰の辺りに魔法陣が浮かぶ。

 「ムサシ様、此処に血を垂らして下さい」

 「わかった」

 ナイフで指先を刺し、血が魔法陣に落ちた。


 刺青の様な紋が浮かび上がる。

 「成功です。これでエーファの主人はムサシ様となりました。大陸法、王国法でエーファの人権は保護されております。ムサシ様がこれを守らなければ、エーファは貴方様から逃げる事が出来ます。そして、ムサシ様は犯罪者となりますので気をつけてください」

 「ああ、わかった」

 「ムサシ様、陛下がお呼びです」

 「わかりました。エーファ行こうか」

 「はい。ユザユル様、幼少の頃から大変お世話になりました。ありがとうございます」

 「ああ、君は優秀な子だ。ムサシ様の元でしっかりと働きなさい」

 「はい」

 俺達は歩き出した。


 「陛下、遅れて申し訳ありません」

 「いや良い。此方こそ、急に呼び立てて済まない。ムサシに褒美を渡そうと思ってな。この王都の一等地の屋敷をこの度の褒美としようと思うが如何かな?」

 「ありがとうございます。丁度、家を探そうかと思っていた所です」

 「何っグラファストを出るのか?」

 「あっギルマス。こっちにも拠点があったらいいなと思って。グラファストにも家買おうと思います」

 「ならいい」

 「なんだ?王都の方がギルドの質も依頼の量も、依頼量も上だぞ。ダンジョンもあるしな」

 「それは楽しみですね」

 「陛下にムサシまで…」

 「ムサシ、そのまま屋敷に案内させるが良いか?」

 「はい。お願い致します」

 屋敷に案内されたが、驚いた。

 「豪邸だな」

 「はい。前まで、公爵家が所有しておりました。庭には飛竜用の厩舎まであります」

 「前の住人は…?」

 「はい。世継ぎが産まれずに最後の当主様が病で亡くなられて没落致しました」

 「この屋敷で亡くなられたのですか?」

 「亡くなられたのは、戦地と聞いております」

 「そうですか。ありがとうございます」

 「では此方が鍵となります」

 「はい」

 「それでは失礼致します」

 

 「これは早々にユザユルの店に行く必要が出来たな」

 

 奴隷商は屋敷から近くにあるそうで、エーファに案内してもらった。

 

 「いらっしゃいませ。奴隷をご希望でしょうか?」

 「はい。ユザユルさんいらっしゃいますか?」

 そう言ってメダルを渡した。

 「このメダルは…此方にお座りになり少々お待ちください。ユザユル様を呼んで参ります」

 通された商談部屋でユザユルを待つ。


 「ムサシ様でしたか。エーファに何かございましたか?」

 「エーファの事ではなくて、陛下から光竜討伐の褒美に屋敷を頂いたのですが余りにも広くて、メイドが出来る奴隷はいませんか?」

 「それなら、ご用意致しますので少々お待ち下さい」


 暫く待つと、ユザユルは15名の男女を連れてきた。

 「先ずは、メイド長の経験のある奴隷が1人、メイド経験のある奴隷が2人、それと、家令だった者が1人、その他、16歳から20歳でよく働き、頭の言い女が8人、庭仕事や、厩舎の仕事が出来る奴らが3人だ。但し、家令とメイドは結婚して5歳と3歳の子供もいる。メイド見習いとバトラー見習いとして一緒に連れ出してくれる事が条件だ。子供は奴隷ではないから料金はその分割り引く」

 「わかりました。その条件でお願いします」

 5千万で男性4、女性11人+子供2人全てを購入した。

 全員、王都の屋敷でよく働いてくれる。


 

 飛竜は屋敷に数日後に運び込まれた、直ぐにテイムした。

 「名前は…黒…コク…コクヨウだ」

 「ご主人様。ありがとうございます。何なりとお申し付けください」

 ああ、宜しく頼む。

 「とうしゃま、このおじしゃん誰?」

 「ご主人様、光竜の子供をテイムなさっているのですか?素晴らしい」

 アイビー、新しい仲間のコクヨウだ。コクヨウ、この子はアイビーだ宜しくな。

 「コクヨウおじしゃん宜しくなの」

 「アイビー様よろしくです」

 アイビー様?

 「ご主人様、光竜は現古代竜王の系譜。アイビー様と比べたら私は鳥の様なものです」

 コクヨウ、お前も古代竜王の配下となった訳だがどうだ?

 「えっ、えーーーーっ!ご主人様、アイビー様が現古代竜王なのですか?」

 現古代竜王は俺だ。

 「失礼致しました。陛下」

 堅苦しいのは辞めてくれ。

 「では、王と呼ばせて下さい」

 王か…まあいい。アイビーは前古代竜王の実子だ。いずれその時が来れば王位はアイビーに譲るつもりだ。

 「前王の実子ーーーーっ」

 「コクヨウおじしゃんどうしたの?」

 どうしたんだろうね?



 コクヨウが復帰したので騎乗してみたがこれなら、グラファストへ一日で飛んで行けそうだ。

 

 最後にエーファのステータス。

 配下強化後。


 氏名 エーファ

 年齢 16

 レベル 10

 HP 2200

 MP 500

 スキル 最上位精霊魔法 最上位弓術 精霊召喚  

 状態 ムサシの配下(奴隷)

ご覧頂きありがとうございました。

ブックマーク、感想、コメント励みになります。

宜しくお願い致します。


21時に次話投稿予定です。


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