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ガイさん、ムンさんは、さすがだ!
僕より、余裕そう。
宰相は見てるだけだけど、驚いた顔をしている。
室内セットメニューまで終わると、10分休憩だ。
「はぁはぁ・・・」
僕はいつも、鍛錬は全力だ。
その方が強くなりそうじゃない?
休憩があるのも知ってたから、ここまでで全力。
だから、息も絶え絶え。
「おいおい、大丈夫か?」
水を飲んで、深呼吸してから、話し出す。
「うん。いつもここまでで、体力を使い果たす勢いで訓練してるので、こんなになるんですけど・・・」
「そこまでしているのですか!?」
と、ムンさんが言う。
「だって、その方が体力つきそうじゃない?」
ムンさんが目を瞠る。
「どなたかに聞かれましたか?」
「ん?いいや。聞いてないよ。」
「では、天性の才能ですね!ご自分で気づかれるとは、さすが団長のご子息!」
と、ムンさんが言う。
「どうゆうこと?」
「魔力や体力は、0ぎりぎりになるまで鍛えて、回復を繰り返すと、どんどんついていきます!」
「ああ、そうゆうことか。そうだね。僕はいつもこのあとの手合わせでも全力出して、部屋に戻ってどっちも0にするんだ。0になると寝ちゃうから、いつもトーマスに起こされるんだよね。エヘヘ」
「そこまでされてるとは。0にするのは、鍛錬してる者でも戸惑うほどなのに・・・怖くはないですか?」
「うーん、慣れたよ。でも最初は少し怖かったよ?絶対に安全だって思える場所があるから、できることだと思う。」
「そうですね・・・でもそれもありますが、精神力がすごいですよ。」
家族以外にも褒められて、嬉しいなぁ~
照れ笑いで、エヘヘと笑った。
すると、父上に抱き上げられた。
「ノア、いい笑顔で笑えるようになったな。嬉しいよ。」
と、スリスリされる。
嬉しい!けど、ヒゲが痛くて、顔が引きつる。
困ってると、兄上が父上からチョイと僕を引き離し、抱っこする。
「父上、嬉しいのはわかりますけど、ノアが痛がってます!あーあ、赤くなっちゃってる。大丈夫?」
「兄上、ありがとうございます。」
「ぁあ"ー!え?ほんとだ。ごめんね、ノア。」
「大丈夫です。」
「でもでも!せっかくノアを堪能していたのに・・・」
「え・・・団長の変わりぶりが・・・」
と戸惑うガイさん、ムンさん。
「リアム、手合わせはお前からだ!覚悟しろよ!」
「はぁ~父上、大人気ないですよ。」
そう呆れながら、僕を降ろして頭を撫でてくれた。
「フンッ、なんとでも言え。行くぞ。」
「ハハハ」
「ノア様・・・団長はいつもあんな感じですか?」
「そうですね。家ではあんな感じです。」
そう言って、僕たちは父上と兄上のあとを着いていくのだった。