63
目を開けると、そこにいたのは神様だった。
本物ではなさそうだけど、忠実に再現されてる、透けている3D映像だった。
てか、え!?神様がこっちに現れるのって初めてだよな・・・?
「リゲル様・・・こちらに来られるのは初めてですね・・・」
「お久しぶり、ノア~ノアが洗礼式受けたし、ここ数日で聖魔法のレベルが上がってたんだよ?気づかなかった?ステータス確認してないでしょ~レベルが上がれば上がるほど、こっちの世界に現れることができるようになるんだ!というかね、神殿にもっとおいで?大神様が寂しがってるよ。会いたいって!」
「ハハハ、わかりました。近々行きます!ん?僕、聖魔法はまだ練習してないのですが・・・」
「ああ、聖魔法じゃなくても、魔法の訓練やら、あのノアの部屋でやってた訓練・・・筋トレだっけ?それをやってれば、レベル上がってくからね?他の属性魔法だってそうでしょ?」
「ああ、言われてみれば確かに・・・納得しました。」
「それより、ノアは毎日頑張ってるね。えらいけど、頑張りすぎちゃだめだよ?」
「それは、神様たちだってそうだと思うんだけど・・・」
「大丈夫大丈夫。ノアのことが気になってさ。ノアのこと見てる時間が、休憩になってるんだよ♪」
「ええ、いいんですかそれで。」
なんて、神様と話していたが、その光景を呆然と見つめる家族と、宰相と、使用人たちが目に入り、ハッとした。
「あ、こっちにはなんの用で?」
「ああ、忘れてた。ノアと話すのが、楽しくて!」
神様はヘラヘラっと笑ってはいるけど、目は笑ってなかった。
「神の名、リゲルにてノアの自由を保障する!」
「へ!?」
いきなりそうリゲル様は叫び、ぼくはただただ驚いてしまっていた。