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「ん?ああ、そうだったな。」



「そうだったな、じゃないですよ!!」



「だって、ついてくるんだもん。教えたくなっちゃうじゃん?」



「子供のときの、過度な訓練は成長を阻害します!」



「あ、それは大丈夫ですよ。心配だったので、街で有名な医者に定期的に、見てもらってますから!」



「え!?いつの間に・・・」

「ご自分で!?」



おお、ムンさんと父上の声が被ったぞ。


「はい。」



「ムン、いちいち驚いてたら、心臓がもたないよ?」


ハハハと、父上が笑う。



「私も結果は確認していますわ。今のところ、大丈夫ですよ。」



「夫人・・・団長はしっかりしているようで、抜けているところもありますから。辺境伯夫人がしっかりしてくれていて、良かったです。」


と、ムンさんが目を潤ませた。

父上の被害者か。笑



「言い出したのは、ノアですけどね。私も辺境伯の妻として、腕っぷしはゼロですが、勉強はしていますからね。夫がご迷惑おかけします。」



「僕も知識として、知ってましたから。父上が課す訓練の難易度や、量が上がってきた時点で、念のため受診したのです。」



「さすがです。団長と夫人のいいとこどりしたノア様ですね。」


なんて、宰相そっちのけで話してしまって大丈夫なのだろうか。

と、チラっと宰相を見ると、ニコニコ笑っていた。


”相変わらずだな、ダンテは”なんて、ボソッと言っていた。

僕の視線に気づいたムンさんが、ハッとした。



「申し訳ありません!宰相様がいらっしゃるのに、出しゃばってしまって・・・」


と、頭を下げた。



「いやいや、いいよいいよ。ダンテは、相変わらず上も下も関係なく、接するのだなと嬉しくなったくらいだ。中央は堅苦しいし、上下関係を気にする者が多すぎる。特に下の者を見下す人が多くてね。君たちを見ていると、癒されるよ。でもそうだな・・・会話に入れなくてさみしかったから、明日の訓練を見せてもらえたら、嬉しいな。」



「あ、もし良いなら私も見たいですね。」


宰相と、ムンさんがそう言うので、顔を見合わせて、頷いた。


「いいぞ。朝早いけどな。日が昇るころから、朝食前までしている。」



「「わかった(りました。)」」



話してる間にご飯は食べ終わっていた。

あとはデザートと、食後の紅茶のみだった。



「ノア様は、夢や将来の方向性は決めていらっしゃいますか?」



「僕は、冒険者になりますよ。」


そう言うと、宰相は目が落ちそうなほど見開いた。

やっぱり、いい感情がないのだろうか。

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