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ああ…そうか。
僕は無意識に、自立しないとって、思っていたから…
甘えすぎてはいけないと思っていて…
感情もなるべく抑え、大人のように振る舞っていたんだ…
もっと、甘えていいんだ。感情も出していいんだ。
「・・・父様。ありがとうございます。もっと、甘えていいのですね・・・」
「ぁあ!もちろんだ!私たち家族は、ノアに甘えられるのが嬉しいんだから!」
「はい、父様!」
抱き締められて、頭を撫でられ、背中を擦られ、ゆっくりと眠りに落ちた僕。
そんな僕を抱き抱えて、もう眠っているのに、ずっと頭を撫でていた父様、風が冷たくなったころに皆で泣き止み、やっと部屋に運んだのだとか…
ちなみに、トーマスもイーマスも、家族も全員泣いていたそうだ。
部屋に運んだ後も、父様お母様、兄様、姉様は代わる代わる部屋に来ては頭を撫で、頬をなで、頬にキスしたり…とそれはそれは、大変だったようで、トーマスから次の日に延々と聞かされた。
前世から数えればもう成人しているし、前世ではこんなことはなかったから、恥ずかしいやら戸惑いやらでいっぱいだったけど、今までで一番幸せな気持ちになった。
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次の日の朝…
「ノア様、ノア様。おはようございます。」
いつも通り、トーマスが起こしに来てくれた。
「おはよう。トーマス。」
「はい、おはようございます。昨夜は夕食を取らなかったので、お腹が空いていらっしゃいますよね?」
「うーん・・ああ、そっか。僕、父様の腕の中で寝ちゃいましたか?」
「はい。そうですよ。クスクス、寝ぼけていらっしゃいますね。私に敬語使っていらっしゃる。クスクス」
「うーん・・・言われてみれば・・・」
寝ぼけながら、僕は着替えさせてもらう。
「トーマス、今日の予定は?」
「はい、今日は終日オフです。お好きなことをされてください。」
「うーん、そっか。ありがとう」
前世では、休日なんてほぼなかったから、何してもいいとかって言われると、すごく困るのだ。