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大泣きする声を聞いた、母様と姉様が飛び出してきた音がする。

マズイと思うけれど、涙が止まらない。


「ノア!!どうしたの!?誰!ノアを泣かせたのは!!」

すごい剣幕で母様が怒っている。



姉様は、僕を抱き締めてくれて、背中を擦ってくれている。

「ノア、ノア。大丈夫よ。ゆっくり、姉様になにがあったか、話して?」



「ち、がう、んです。僕が勝手に、泣いて、るだけで。誰も、悪く、ない、んで」

泣きすぎて、しゃくりあげながらも、伝えなくては父様たちが、まずいと思い口にした。


が、逆効果だったようだ。

こんだけ泣きながらも、誰も悪くないと言う僕を見て、母様と姉様は、健気な子を泣かせた!と、余計に怒り心頭だ。


「で、だれよ!!ノアを泣かせたのは!!なにを言ったの!!」

僕は姉様に抱きしめられていて見えないが、すごい圧でかあ様がつめよる。


「わ、わかった。説明するから、少し落ち着いてくれ。」


「あなたなの!?ノアをこんなに泣かせて!!」


「いやっ、違うような。違くないような。とにかく、説明する!」


と言って、僕のテスト結果や、魔法実技の成績を話し、先程の件を話す。



「結局、あなたのせいじゃない!!ねぇ。この子は人一倍愛情を求めてる。分かっていたわよね?この間もお互いそう思うって話したもの。それなのにノアが遮らなければ、続く言葉を言っていたって言うの!?そんなにノアを傷つけて、どうするのよ!それこそ、間違った方向へ進んでしまうかもしれないわ。それにね、ノアがどんなふうに考えるか、性格になるか、それは私たちの責任よ!正しく導けなかったら、それは私たちの責任なのよ!!」


「その、通りだ。すまない。」


「謝る相手が違うわよ!!」

母様の怒りは収まらなそうだし、抱きしめる力の強くなった姉様も怒っているな……



父様は僕に近づき、姉様から離された私に


「ノア…すまなかった。傷つけるつもりはなかったんだ。ただ、気をつけてほしいと、伝えたかったんだ…傷つけて、ごめんな。」


そう言って、力いっぱい抱きしめてくれた。



「なぁ、ノア。今のように、もっともっと感情を表に出していい。甘えてくれ。ノアに悪いことをしてしまったが、素直な感情が私は嬉しかったよ。」

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