他者視点(王家)②
私は確認のために、馬車に乗り、王都にある教会についた。
二階は教会本部になっている。
先触れは1時間ほど前に出したから、大丈夫だろう。
「おはようございます。本日はどういったご用件で?」
「先程、先触れを出しておいた。洗礼式の結果の件で確認したいことがある。本部長はいるか?」
「かしこまりました。宰相閣下ですね。少々お待ちください。」
そう言って、神官は二階の本部へ見習いを走らせた。
しばらくして戻ってきた見習いは、対応してくれた神官に小さな声で報告したようだ。
「お待たせしました。ご案内致します。」
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「失礼します。宰相閣下をお連れしました。」
そう言いドアを開けてもらい、中に入るといたのは、本部長と副本部長もいた。
「お久しぶりです。急な面会に応じていただき、ありがたく存じます。」
「お久しぶりですな。いえいえ、いらっしゃるだろうと思っておりましたので、大丈夫ですよ。どうぞ、お座りください。」
「それで一応、どういったご用件かをお聞きしても?」
「はい。洗礼式の結果を見まして、リートルテ辺境伯のご子息の件で伺いました。」
「はい、その件ですね。」
「フェンリル様の件と、キラキラ舞う粒子と、ステータスの件ですが、全て本当でしょうか?」
「はい。もちろんです。」
「いや、疑っているわけではないのですが・・・内容が凄すぎて、現実味がなくてですね。」
「そうですね、私どももリートルテ領内の神殿からの使者から聞き、驚きました。ですが神官長の言葉も添えられており、本物であることは間違いないようでしたので、そのまま報告しました。」
「そうでしたか。それは報告以上のことは、不明だということですか?」
「はい、申し訳ありませんが。その通りです。」
「分かりました。ありがとうございました。」
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そして、夜。
宰相は、陛下の執務室で向き合っていた。
「神殿でも、報告書通りだと言われました。それ以上はわからないとも。」
「そうか。神殿が情報を隠している可能性もあるが・・・なにしろ、本人に会うのが一番早いだろうな。」
「はい。リートルテ領へ、行ってきましょうか。」
「そうだな。頼むよ。」
「御意。」