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他者視点(王家)

教会から、王家へ今年の洗礼式の結果がきた。

例年通りに、目を通していく。


今年も結果がよい何人かを報告することになるだろう。

くらいな気持ちでいたのだ。

だが、その思いは裏切られた。



「なっ!!」


執務室で確認していた宰相は、思わず声をあげた。

そして


「至急、陛下に謁見の申し出を!!」


そう言って部下を走らせた。

返事は1時間後にとのことだった。

それから1時間、たまっている仕事はあれど、手につくわけもなく、ソワソワしながら待った。




待ちきれない私は、結果の書かれた書類を持ち、20分前には謁見の間の前に着いていた。



扉の前に立つ騎士2人には、驚かれたが、次の謁見は私なのは通知されてるし、忙しい私が早めに来るとは、相当重要なことなのだろうと、察してくれたようだった。


心なしか、彼らの少し不安そうな顔を見たような気がする。

だが、当の私にはそんなことに気を回す余裕もなかった。



時間より5分ほど早く、中にいる陛下の側近から声をかけられた。



「宰相閣下、ご到着です!」


そう言われ、開いた謁見の間を進む。



「急な申請に応じていただー・・・」


いつもなら、私との相談や報告などの会談は、執務後の夕方~夜にかけての、陛下の執務室だ。


「よい。いつもの会談形式ではないということは、緊急だろう?」



「はい。その通りです。本日届きました、洗礼式の結果をお持ちしました。まずは、お目を通していただきたく存じます。」


そう言って、陛下の側近に手渡した。

側近から、陛下の手に渡る。

パラパラとめくっていき、そろそろかなと思ったところで、案の定陛下が反応した。



「んっ!?」


と言い、書類を凝視している。



「これは、まことか?」



「詳細はこれから、ですが、教会からの結果です。内容にはほぼ間違いないかと。」



「ふむ、そうか・・・なら、確認しておいてくれ。夜いつもの時間に再度聞きたい。」



「はっ、もちろんです。」


そう言い、謁見は終了した。

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