表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

55/156

他者視点(教会)

~教会サイド~



今年の洗礼式には、この地域一帯を治め、魔の森や他国からも守っている辺境伯のご子息がくる。

前回の貴族様の洗礼式は、いつだったか・・・



確か、辺境伯の傘下の子爵家のお孫さんだったかな・・・?

とにかく、5年以上は間が空いていて、今回初めて担当する者もいる。

朝からソワソワしたりして、教会自体が落ち着かない。



噂の辺境伯のご子息が到着し、受付している列に並んでいるので、受付の新人の者に声をかけ、すぐに辺境伯ご一家のところへ向かわせた。


すると、連れてくるわけでもなく話しをしている。

新人が何かしてしまったのか、やはり私が向かうべきだったと、ヒヤヒヤしながら急いで向かう。

すると、可愛らしい声だが、威厳に満ちた声で、ここで待つとハッキリおっしゃった。



なぜだろうか?

ああ、人員を割けば、逆に開始が遅くなるからか。

いや、でも違うか?


この様子だと、”特別扱いされたくない”と感じていらっしゃる様子だ。

皆が並んで待っているのに、後からいらっしゃったご自分たちだけが、早くに入場できるのは忍びないという思いのようだ。



弱冠5歳のお子様が、貴族の権利を享受するわけでもなく、ちゃんと考えておられることに、とても驚いた。



その後の洗礼式では、皆がどよめいた。

キラキラと舞う粒子、フェンリル。

ステータスを見なくても分かるほどの神からの寵愛。


ああ、先程の対応といい、この方は素晴らしいお方だから、神からの加護を授けられたのだと。




見送りは総出で行った。

そしてすぐに、このことを王都の教会本部へ伝達するため、馬に乗り、駆け抜けた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ