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ペンなどの準備ができた僕は、いつでもいいよとトーマスに声をかけた。
「では、始め!」
との合図で問題を渡されてから、始める。
黙々と解いて、曖昧なところは飛ばして解いていく。
一通り最後まで終わったら、飛ばした問題へ戻る。
これは前世でもやっていた解き方だ。
前世では中学までの成績は良かったものの、高校にすら行けなかった僕は、勉強ができることがとても楽しいし、嬉しい。
そんな気持ちでやってるから、どんどん覚えられるのかもな。
「はい!」
終わったら、声をかけて終わったことを知らせる。
いつも通りだ。
少し周りがざわついた。
「あ、今日の採点は我が家以外の方にお願いして?」
「そうですね。どなたか、採点していただけませんか?」
「「では、私が。」」
と手を挙げてくれたのは、この中でも若い方々。
次期侯爵と辺境伯だった。
不正とかを疑われないためにも、二人でやってくれると助かるな。
「では、お二人でお願いできますか?」
「もちろんです。」
そう言い、すぐに採点を始めてくれた。
ドキドキしながら、待つ。
「信じられない・・・」
「こんなことが・・・?」
とつぶやくお二人。
「終わりましたよ。結果は、1問間違いです。」
「え!?」
自信あったのに。
「ん?ノアが間違えたのか。珍しいな。」
なんて、父上も言っている。
「いやいやいや!この問題をテストとしてやっている時点で、天才ですからね!」
「ああ、すまない。最近は慣れてしまっていて・・・」
「とにかく!ノア様の勉強の実力はわかりました。次は、魔法を見せてもらっても?」
「ええ、もちろんです。裏庭に出ましょう。」
そう言い、僕と父上を先頭に裏庭へ案内する。
歩きながらなにがいいか考えていた僕は、父上に相談して決めた魔法を披露する。
「僕は全属性魔法の適性があります。聖魔法については、これからなのでご容赦ください。順にやっていきますので、見ていてください。」
火魔法、ファイヤーボール
水魔法、水柱
土魔法、アースブロック(レンガのようなもの)
風魔法、サイクロン
闇魔法、アイテムボックス、分身
を、披露した。
創造魔法は遠慮させてもらった。
火魔法に関しては、燃え広がったら大変だから、初級にしといたけど、皆さん驚いていた。
特に水魔法の水柱と、風魔法のサイクロンは、上級魔法だからね。
聖魔法は、一応本を読んでみて知ってはいるけど、対象が生き物だからまだ試せていない。
独学だけで使うのは、怖いから。万が一にも、傷つけたりしたくないから。