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「おはよう。朝から、なんだか楽しそうだね?」
そこに父上が母上をエスコートしながら、入ってきた。
「「「おはようございます。」」」
「何の話しをしていたのかしら?」
「ノアとも一緒に食堂へ来たいと言ったのですわ。」
「私にも、トーマスに頼るみたいに頼ってほしいと伝えたのです。したらトーマスが!」
「トーマスが?」
「ノア様の執事、お世話係りは渡しません!って言うんですよ。」
「フッ。ノアは、モテモテだな。」
「父上!笑いごとではないですよ!どうにかしてください!僕は女性が好きです!」
「へ・・・?ブッ!!」
と、みんなが笑いだす。僕は何が何だか分からず、キョロキョロすると、執事やメイドまでもが肩を揺らしている。
我慢してるみたいだけど、バレバレなんだけど・・・
トーマスも肩を揺らしているので、パンチしてみた。
「すみません、ノア様。可愛らしいところもあるのだな、と。」
力は入れてないので、全く痛くはないだろう。
「もういいよ。」
と、少しすねてみた。
「「か、可愛い。」」
と、姉上と母上。僕は何をしても可愛いようだ。
ほっこりする。
「さ、朝食を食べよう。ノア、あとで執務室へ来てくれ。」
「はい。」
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その後は、笑われることもなく、普通に朝食を食べ終えた。
一度部屋に戻り、歯磨きをして、トーマスを引き連れて、執務室へ向かう。
いずれ、この歯磨きもどうにかしたいな。
布で拭くだけなんだもん、サッパリ感なんてない。
「ノア様!こちらです。大丈夫ですか?」
おお、そんなこと考えていたら、執務室を通り過ぎてトーマスに引き留められちゃったよ。
「大丈夫、大丈夫。考え事してただけだから。」
「本当ですか?」
「ホントホント!トーマス、心配かけてゴメンね。」
「なら、いいのですが・・・」
ほんとに、ボケっとしてただけなんだけど・・・
心配かけちゃって悪いことしなあ。
さ、気を取り直して。
_コンコン_
とノックした。