他者視点(父)
ダンテ(父上)視点
ーノアは愛に飢えているー
それは、家族全員の共通認識だった。
それはなぜか?理由は考えても分からない。
だから、そういう性格なんだろうと思った。
けれど、それでも”そういう性格”で済まないようなこともあった。
だからと言って、すぐに何かできるわけでもなく、少しずつノアが変わっていくのを待つしかない。
そう、家族で話しあった。
だからかな、ノアが泣くとオリビアもエマも、すぐに飛んでくる。
原因が自分だった日には、もう大変だ・・・
そして桁違いの能力を見るたび、この子は神童だと思ったりもする。
間違いなく我が子なのだ。だが、凡人ではないし、天才をも軽々飛び越していくノア。
それは、洗礼式でも現れた。
ノアの洗礼のときに、あたりが輝いたのだ。
金粉のような、キラキラした粒子が当たり一面に降り注いだのだ。
そのあとに現れた子犬のようなかわいらしくも、神々しい生き物は、フェンリルだそうだ。
洗礼式の結果は、貴族の子は全員教会本部と、国に報告される。
平民は、洗礼を受けた人数と、能力の高いものだけが、報告される。
平民だったとしても、ノアの場合は報告されただろう。
幸いというのか、我が家は辺境伯だから、王都へ報告が上がるまで時間的猶予が少しある。
能力が高いからと言って、教会や国に子を取り上げられることはない。
ないがー・・・能力の高いものは、魔導士団や、国の研究機関などに、推薦されたり、王命として保護されたりする。
取り急ぎ、ノアの要望を聞かなくてはならないと思う。
ああ・・・また家族会議が必要だ・・・
ノアよ、嬉しいはずなのに、頭痛がするのはなぜだろうか・・・
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