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父上と母上に連れられ、袖から出る。
「皆様、お待たせいたしました。ごゆるりと、お楽しみ下さい。」
と言う、父上の言葉を合図に、礼をしてから、壇上にあるイスに座る。
袖にいる間に、壇上に準備された長方形のテーブルと料理とイスに、花もろもろ・・・
なんという早業だ。
夜に開催される夜会では立食形式だが、今回はアフターヌーンパーティーという部類に入る。
子供が主役で、疲れてしまうだろうからという理由で、開催は皆、着席形式のパーティー・・・
というか、ようは子供のお披露目会だ。
親しい友人を招いて、自分の子供を自慢したりする会ってこと。
それなら、そんなに緊張しなくてよかったじゃんって?
いや、今思えば自分でもそう思う。
けどさ、そんなの免疫がないうえに、貴族の荒波を本で読み、聞いたら、ひるむよな?警戒するよな?
結果的には、自分で自分の首を絞めたようだけどさ。アハハ・・・
父上の音頭で、乾杯をして食事を少しいただき、しばらくして落ち着いてきたころに、爵位の高い順に挨拶にくる。
ホスト側は、着席して、それを待つ。
今回の挨拶は、爵位からいうと、侯爵からだな。
次期侯爵の奥様は、母上と同級生で、仲が良かったそうだ。
だから、母上ともども婚約が決まった時は、近くに嫁げると喜んだそうだ。
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