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「まぁ、この後の挨拶回りでは、いろいろ言われるだろうよ。」
ええ、やだなあ。
自分が蒔いた種とはいえさ・・・
前世から数えたら、20歳近いんだもん。
失敗しないようにって考えるのが精いっぱいで、5歳らしく・・・なんて、考えが回らなかったんだもん。
って、誰に言い訳してるんだか・・・はあ、憂鬱だ。
「そんな顔するなよ。」
「そうよ、可愛いお顔が台無しよ?」
「すぎてしまったことは、仕方ないだろう。だが、私たちはノアを全力で守るさ。だから、安心しなさい。」
そう父上に言われ、嬉しくなった。
そうだ、その通りだな。やってしまったことは仕方ない!
僕は普通の5歳児を演じよう。
そう思い、切り替えるため、頬をパンパンと叩いて、父上が差し出した手に、自分の手を重ねた。
そうそう、頑なに断っていた手をつなぐことだけど、5歳の子供が父親と手をつなぐことって、なにも不思議なことじゃないって、話していて気が付いた。
逆に、母上をエスコートしている方が、目立つだろう。
5歳でエスコートしている子なんて、いないだろうからね。
そう思うと、僕って今まですごい目立ってたんだろうなあ・・・
大人びて、、、大人びすぎているっていう感じかな・・・
これからは、頑張って5歳児演じます!
あ、ちなみに父上は反対側で、母上をエスコートしている。
さて、もう一度戦場へ行きますか!
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