28
僕はトーマスを引き連れて、部屋を出る。
1階に下り、食堂とは反対の方向へ向かうと、普段はあまり使われない大広間、という名のパーティールームに着く。
大広間の前に行くと、従者が両開きの扉を開けてくれた。
中を見て・・・唖然とした僕は悪くないと思う。
それはそれは、豪華な飾りがされていた。
前世のテレビやほかの人の話しを聞いていた家でやるパーティーの装飾は比較にならないほど・・・豪華だ。
たぶん金だとか、銀だとか、宝石だとかがふんだんに使われている。
なんだか、気後れしてしまう。
ドン引きしている僕をよそに、トーマスは笑顔を見せている。
「ノア、どう?素敵でしょ!」
と、嬉しそうな姉上だが・・・
「・・・・・・・」
なんとも、声にならない。
「僕はここまでするのは、反対したんだよ。」
と言う兄上。そこはもう少し頑張ってほしかったんですが!兄でしょう!
悪くないのに、兄上を心の中で、怒ってしまう。
ああ、ダメだな。
「ハハハ・・・」
と乾いた笑いしかでないが、一応返事をする。
いや、これは返事と言えるのかな・・・?
「ノア、気に入らなかった?」
「いや、お気持ちは嬉しいのですが、気後れしてしまうほどの装飾が・・・」
「いいのよ!辺境伯家はみすぼらしいなんて、言われたら大変よ!?」
「え・・・!?そうなのかもしれませんが・・・僕には合わないといいますか・・・」
そうか、そういう意味合いもあるのか。
僕には庶民感覚の方が強くて、分からなかった。
「うーん?そうかな?なら、家族だけのお祝いの時は、もう少し控えめにするわね?」
「はい、ぜひお願いします。」
元気に返事をすると、姉上が何ともいいがたい苦虫を噛み潰したような顔をしていた。
ハハハ・・・ちょっとあからさますぎたかな・・・
でも、、、こんなところにお金をかけなきゃいけない貴