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「・・・様!・・・様、ノア様!」
ん・・・?だれか呼んでる?
「ノア様、おはようございます。よくお眠りでしたが、そろそろ準備を致しましょう」
「トーマス・・・」
「珍しいですね。ノア様が寝ぼけていらっしゃる。」
クスクスと笑う声が聞こえる。
「ん・・・」
「お疲れのようですね。明日は一日予定がありませんから、この後のパーティーだけ乗り越えましょう!」
「うん・・・ゴメンね、トーマス。ちょっと疲れてるみたい。おはよう。」
と言い、起き上がる。
まだぼんやりとしているが、立つとテキパキとトーマスが指示しながら、従者とトーマスで衣装を整えてくれる。
ぼんやりしているうちに、着替えも髪も整えられていた。
だんだんと、意識がはっきりし、終わった時にはすっかり眠気も冷めていた。
「ありがとう、トーマス。寝過ごすところだった。」
「いえいえ、これが普通の執事の仕事ですから。」
と、トーマスが笑った。
ああ、幸せだなあ・・・とトーマスの笑顔を見ながら、思った。
何でもないような日常が、とても大切なんだ。
だから、僕は幸せだと思える日常を全力で守りたい。
「さて!行こうか!」
貴族社会の品定めという名の、お祝いパーティーに。
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昨日更新できなかったため、本日は2話投稿しています。
この投稿は、2話目です。