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「ところでノア、外出に洗礼式に、ステータスの確認して、疲れていないか?」
「はい、そうですね・・・少し疲れました。」
「夕方のパーティーまで、まだ時間がある。部屋で少し休んだらどうだ?」
「そうですね。ありがとうございます。そうさせてもらいます。」
「ああ、ゆっくり休みな。」
「はい。失礼します。」
そう言いトーマスを連れて、部屋へ向かう。
部屋に入って、ソファーに座るとどっと疲れがきた。
けど、僕にはまだやることがある。
「トーマス、ごめんね。」
そう、トーマスに謝ることだ。
「なにをおっしゃいますか。私はノア様の執事とういう肩書き、とても自慢しているのですよ。父や叔父にさえ。」
「ありがとう。そう言ってもらえて、嬉しいな。僕に仕えることができるのは、僕が成人して家を出るまでになるだろう。トーマスには、いい転職先を紹介できるようにしたい。希望があれば、言ってね。」
そう、一介の冒険者に執事はつかない。
貴族で、執務をするから、つくのだ。
僕が冒険者になれば、執務はない。
そうなれば、トーマスは僕の執事を続けられない。
もしも兄上に補助を頼まれれば、執務をすることもあるから継続できるだろうけど、兄上は優秀だし、トーマスの叔父さんで兄上の執事のリーマスもできる男だ。
僕がいなくても、回るだろう。
だから、ごめんねなんだ。
「私はノア様一筋ですよ。それに、私はノア様が冒険者だけでとどまるとは思えませんから。」
「ウーン、あまり期待しないでね?」
と苦笑いするしかなかった。
「それより、ノア様お休みになられては?」
「うん、ありがとう。着替えを頼むよ。」
そう言って、室内着に着替えて、ベットに横になると、吸い込まれるように寝た。
空気のようになっていたリルは、僕にずっとくっついていた。
リルは暖かくて、気持ちいい湯たんぽのようだ。
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昨日は更新できずに、すみませんでした。
代わりに、今日は2話投稿します。