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あ。フェンリル様、父上や母上にフェンリルだって話しても大丈夫?
『ノア様のご両親か。うん。むしろ紹介して?』
おっ!そうなのか!分かったよ。
「フェンリルです。」
「やはりか!どうしてこちらに?話しはできるかな?」
「うーん、念話で僕と話しはできますが・・・ここに来たのは、僕の側にいてあげてと神様に言われたそうですよ。あ・・・父上、母上。我が家は、動物は禁止でしょうか?」
「ブッ!」
父上が吹き出した。
「父上!汚いですよ!」
「フェンリルを動物と同類にするなど!!しかも神様・・・?どういうことだ!?」
と焦ってる?
え?ごめんね、フェンリル様。
『ううん、全然いいよ。ノア様だもん。あ、あと、僕と契約してくれれば、普通に話すことができるよ。』
そうなんだ!ありがとう。
「僕なら構わないって言ってます♪あと、フェンリルと契約をしたいのですが、僕まだ自信がないので帰宅したら、契約魔法を見てもらえますか?」
「えっ!それはフェンリル様が良いと言っているのか?」
「はい。」
「そうか、わかった。なら、すぐ見よう。詳しい話しは、家族がそろったところで頼むよ・・・」
そう言ってこめかみをほぐす父上であった。
そうそう、何を隠そう父上は契約魔法の達人だ。
辺境伯は、国境も近いし、魔の森も近い。
魔獣を相手にするには、騎士や冒険者ももちろんだが、辺境伯本人が討伐に向かうことも多い。
そんな人たちのまとめ役である辺境伯本人が、弱いわけにはいかないのだ。
なんだかんだ、この世界も上に立つには、それなりの実力が求められるってわけだね。