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「こちらへどうぞ。」


そう言って、応接間に案内する。

お茶とお菓子を出し、紅茶を飲み、ハンスの上がっていたん息が戻ったなと思った頃に話しを始める。



「それで、今日はなにがありましたか?」



「そうでした!ノア様拝んでいたら、忘れていました!侯爵から言伝てです。この間、王都在住のバーン伯爵が妙なことを言っていたと。その時は半信半疑だったが、今朝方そのバーン伯爵が侯爵領に着いたと。強行な行程ならば、夕方くらいには、そちらに着くだろうと。もちろん侯爵はなるべく引き留めてはいますが、いつまでもつか分からない、とのことです。」



「ほうほう。なるほど。して、その妙なこととは何ですか?」



「それが・・・あの。辺境の平民になるのを待つだけのノア様をもらってやるとか、なんとか・・・」



「は?」


あ、やべ。素がでちった。


「どういうこと?」



「はい。ここ最近王都でもノア様の話題で持ちきりでして。ノア様を嫁にとか、夫にとか、そういった話しが出ています。そこで、いち早く獲得にと思ったバーン伯爵と、令息が、先程のようなことを夜会で言っておりました。それで、今回は婚約の話しをするため、こちらに向かっていると思われます。」



「はああ。やっぱりきたか。あー、早く籍抜いてもらえばよかった。」


と、少しの間天を見上げた。



「ふう。父上に早馬を出す。トーマス、準備を。」



「はい。承知しました。」



「それで、この件なんですが、どうやら王族方々にも耳に入ったそうで・・・」



「なに?」


少し威圧がかかってしまい、ハンスがビクっとした。



「ああ、すまない。それで、王族の方はなんと?」



「それは、まだ・・・」



「そうか。イーマス、部屋の準備を。念のため4部屋。それから、料理長を呼べ。」



嫌だが、追い返すにしても、今日きたら夜追い返すことになる。

そしたら、こちらが悪く言われかねない。

今日ついてしまえば、どんなに嫌でも、1泊は許すしかないだろう。

伯爵夫妻、子息に1部屋ずつ。



それに、もしかしたら・・・

噂の真実を確かめに、かの方々も来るやもしれんからな。



「ほううう。」


顔を赤らめたハンスはなんだか、熱っぽい視線を向けてくる。



「どうした?」



「さすが、ノア様。ほれぼれするほど、的確な指示。感服です。」


ハハハ・・・苦笑いしか出ない。

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