表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

139/156

124

その日から数か月、僕は先頭に立って奔走した。



まず雪下野菜について。



「~というわけで、実験をしてみたいと思うのです。雪下野菜を各農家、1区画作ってください。食べ比べをしてみましょう。」


僕の知識は、本で読んだ知識ということにした。



「けどよー、実際本での知識であって、出来るかどうかも分からないじゃん。1区画全部ダメになったらどうしてくれんの?」



「ああ、すみません。その話しをしていませんでしたね。もちろん、その場合は辺境伯家が保証しますので、ご心配しないでください。」



「だいたいさあ、なんでこんな子供が!俺らに指図するんだ!?領主が、辺境伯が、なんだってそんなに偉いんだよ。」



「コラッ!」


と、その青年、たぶん15歳くらいの子供がお母さんに叩かれる。

まあ、7歳の子供の言うことの信ぴょう性ってなあ。



「僕のことは信じなくてもいい。だが、辺境伯は命がけで、領地と領民を守っている。それを侮辱するならば、容赦しない。」


少しの威圧を掛け、青年に向き合う。



「・・・・・ブルっ」



ブルっと身震いはしたが、青年は何も言うことはなかった。



「すみませんすみませんすみません!」


母親が必死に謝っている。



「なあ。母親にこんなに謝らせて、恥ずかしくねえの?」



「・・・すみませんでした。」



少しの沈黙のあと、青年は謝ってきたのだ。

こんな人がいるだろうことは、想定済みであって、僕のことを何か言うだけなら、なにも咎めない予定だった。

だが、この青年は父上や兄上を侮辱するという、やってはならないことをした。



_____________________




数か月後、雪下野菜を収穫した。

雪が降る前に収穫し、保存魔法をかけていた野菜とを食べ比べる試食会を開催した。

領地の農家を始め、冒険者、騎士、辺境伯家など、垣根を超えた試食会は大盛況。


やはり雪下野菜の方が甘みが強くて、美味しかった。




その会の終盤で、ぼくにつっかかってきた青年が、土下座をして謝ってきた。



「あのときは、ほんとうにすみませんでした。父さんが死んで、母さんが必死に作ってきた野菜を無駄にするんじゃないかと、疑ってしまいました。謝ってすむ話ではないと思いますが、どうか母さんだけはお咎めなしで、おねがいしたいです!!」



「なるほど。君はお母様思いなんだね。なら、僕と同じだ。僕も家族が大好きだ。その家族を侮辱されたと思って、怒っただけだ。悪いと思うなら、雪下野菜の先導をしてよ。君みたいな人が必要だと思うんだ。」



「はい!!もちろんです!!一生懸命やらせていただきます!一生ノア様に着いて行きます!!」



そうして、無自覚に信者をさらに増やすノアだった。

さてはて、ノアが旅経つと知った信者たちは、どういう行動にでるのか・・・フフフ。



その試食会のあとに僕は、”リートルテの甘い野菜/あ・ま~い”と、雪下野菜に名前を付け、ブランド化させた。

瞬く間に国中に広まり、王都でも入手困難なほど人気がでたのだった。


え?名づけが下手だろって?

細かいことは気にしな~い。ハッハッハ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ