118
指示をして、しばらくすると、最前線で戦う第二・第三隊のところへ着いた。
「団長の指示により、騎士団第五部隊、冒険者第1部隊到着!最前線、交代する。」
「助かる。」
パッと見、大型の魔物が10体近くいる。
「戦況は?」
「前線は押しつ押されつキープ。左方向・Sランクの”バーチの群れ”に苦戦中。」
バーチは、蜂のような見た目と、能力の魔物だ。
小さくて、飛ぶバーチは攻撃も当てにくいのに、毒は強くて危険度が高いSランクに指定されている。
「了解。僕らはバーチの元に加勢しに行く。他の者はそれぞれ加勢していってくれ。苦戦、負傷者あったときのみ報告を。」
冒険者たちも、臨時パーティーが組まれているので、各々状況を見て判断していくことになる。
僕と、ギルド長はバーチの群れの方へ急いで向かう。
「加勢しに来た!」
そう言って、ファイアーボールで人に当たらないように焼き払っていく。
「ノア様!助かります!」
ある程度焼き払ったところで、女王バチが気づいたのか、一気に僕へ向かってバーチの群れが飛んでくる。
「ノア様!!」
焦る騎士に
「手出し無用!!」
と伝える。
向かってきて一塊になってくれるなら、それが一番手っ取り早い。
集団になったところで、Aランクの魔法をぶちかます。
「ファイアートルネード」
一気に燃え上がり、女王バチもろとも灰になった。
「さすが。」
と一言ギルド長が言った。
「助かりました。」
と第四隊長にお礼を言われたので、頷いた。
「それで、ケガ人は?あいにく、途中で回復魔法士を置いてきてしまった。」
「2人毒にやられています。第四隊の回復士が、治療しています。」
「見に行こう。」
見に行ってみると、やはりバーチの毒を解毒するのに、苦戦していた。
「変わろう。」
「は、はい。」
光魔法インスペクションで、身体の隅々まで検査。
からの、ディートクシフィケイションで解毒。
「ん?」
すると、騎士が起き上がった。
「あああ!私が苦戦していたものを一瞬で!」
と驚く回復魔法士さん。
苦笑してしまう。
「バーチの毒にやられたんだ。一度後方にさがるといい。」
「ありがとうございます!」
それを二度繰り返した。
これで、バーチは片付いたな。
次はどこに行くか、と思案していたところに、うめき声が聞こえた。