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ついにスタンピートが始まったようだ。


今朝、明け方に砦の騎士が早馬で伝達に来た。

まだ遠目だが、魔の森に魔物の大群が発生したようだと。


たぶん、前線ではすでに戦闘準備、もしくは戦闘自体が始まっているだろう。

街の中では、非常用の鐘が鳴っている。

鐘は鳴らす回数や、鳴らし方で、どんな非常時か教えてくれる。


今回は、等間隔で3回のあと、素早く2回鐘が鳴っている。

スタンピートの発生を知らせるものだ。



「リアム、ノア、頼んだぞ!」



「「はい」」



「オリビア・エマ。2人は、避難者を頼んだぞ。」



「「はい。」」



「無理はするな。」



「「「はい。」」」



僕ら家族には、それぞれの役割がある。


父上は、騎士団をまとめ、全体の指揮。

兄上は、避難者の誘導、保護。次期当主のため、念のため前線へは出ないでもらう。

僕は、冒険者をまとめ、先陣を切る。

母上は、領内の避難所へ行き、領民のケア。

姉上は、城内の避難所の、領民のケアだ。



「ノア、返事は?」



「大丈夫ですよ。僕はスペアです。」



「ふざけるな!!」



安心させようと、自虐を入れたのがまずかった・・・



「すみません。」



「私らの大切な子供だ。先陣を切って飛び込ませるのは怖いんだ。失ったら、生きてはいけないと思うほどに。」



「そうだ。ノアを失うくらいなら、私が死のう。」


え、兄上の愛がこわい・・・



「ダメよ。ノア。必ず生きて帰って。」


と、母上に抱きしめられた。



「もちろんです。僕は、強いですから。母上、姉上、無理しないでください。行ってきます。」


そう言って、馬にのってかけた。

転移魔法が覚えていられればと、こんなに思ったことはない。

難しくて、まだ習得には至っていないのだ。



だけど、乗馬を教わっていてよかった。

走るよりは、早くつく。



「ノア!必ず生きていろ!」



「はい!父上も!」



一緒に馬で出た父上と、そう言い合って、途中で別れたのだった。

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