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「ルールは、どっちかが降参って言うか、戦闘不能になったら終了。それだけでいいよな?」
「ああ、もちろんだ。おい、ガゼインも参加しろよ。」
「ああ、分かったよ。」
「そっちはパーティーでいいよ。僕らは二人でいいから。」
「はっ、強がんなよ。」
「えー、ほんとにいらないからさ。始めよ?」
「後で泣きつくんじゃねーぞ!」
「うんうん、分かった。」
「審判は私がやろう。」
いつの間にかギルド長までもが、ギャラリーの中にいて、審判役をかってでてきた。
「お願いしますね。」
「うん。準備はいーか?」
「「はい(おう)!」」
「・・・・はじめ!」
先手必勝!身体強化!
距離を詰める。
腰から短剣を出し、リーダーらしき人に突き付ける。
さすがにそれは、受け止められた。
後ろでは、二人の魔法使いが詠唱をしてる。
ほうほう、一人はバフをリーダーにつけようとしてる。
もう一人は、水属性の攻撃魔法か。
―詠唱阻害!―
―詠唱阻害!―
よし、これで二人とも魔法を発動するには、また一から詠唱し直しだ。
後ろに飛び退き、魔法使いを先にやることにしよう。
ウィンドバリア!
これで、仲間も中に入れないし、本人も外には出られない。
それでも、僕の攻撃は通じる。
まあ、空気のバリアで、目には見えてないから、彼らはなんで??ってなるだろうけどね。
ちなみに、この魔法は本来、自分や仲間を守るときに使う魔法だ。
その応用ってこと。
相性の悪い属性をそれぞれに使う。
聖魔法には、闇魔法を。
水魔法には、土魔法を。
闇魔法、ブラックホール。
土魔法、アーススェル!
同時に発動した。
ブラックホールは、聖魔法をすべて飲み込む。
変換しようとしていた聖魔法は、全部闇魔法に飲み込まれ、無意味になる。
さっき詠唱阻害した魔力は、霧散したし、二度目の詠唱を始めている。
たぶん今の変換している魔力を飲み込めば、ほとんど魔力は残らないだろう。
アーススェルは、下から土が盛り上がる。
槍みたいに鋭くすることも、壁みたいにすることも出来る。
今回はもちろん、鋭くする。
2つの魔法を、同時に発動した。
するとすぐに後ろの二人は降参ポーズをとった。
まだリーダーは、後ろの二人に気づいていない。
まだまだ連携に、問題ありだな。
さて、次はリーダーだ。
こいつは、剣で正面勝負で勝ったほうがいいな。
プライドを折って、言い訳もできないようにする。