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「確かに俺らは、冒険者の収入しかないですけど・・・それでもBランクですし、それなりに稼いでますし、ほとんど歩いていただけなのに、等分はおかしいです。」
「んーじゃあ、貸し1ね!だからさ、これからもいろいろ教えてよ。それに、俺ももうすぐ、Bランクだし。」
そう言うと心なしか、周りがざわついた。
「うぐっ、それを言われると・・・」
「はい、決まりね。ノアがいいって言ってるんだから、いいじゃん。」
と兄上が言う。
「リアムさ・・・んもいいんですか?」
「うん、僕はノア以上にお金には困ってないからね。」
「「「ハハハ」」」
その答えには大蛇の三人とも苦笑していた。
「お待たせしました。等分に分けてあります。どうぞ。」
「「「「「ありがとう。」」」」」
「リアムさん、ノアさんは、ランクアップしましたので、新しいランクが表示されています。
お間違いないでしょうか?」
「「はい、大丈夫です。」」
「ありがとうございます。あの~それで、ですね。大蛇がホームギルドを変えると先程聞こえたのですが、本当でしょうか・・・?」
「ああ、そうだけど。」
「あの、その件で、ギルド長がお会いしたいと・・・」
「・・・・・・・」
「ノアさん、リアムさん、同席してもらっても?」
「ああ、もちろんだ。」
兄上が答え、僕も頷く。
「この二人が一緒でいいなら、いいですよ。」
「わかりました。少々お待ちください。」
そう言うと、職員は裏の方へ走って行った。
待つ事数分。さっきの職員が走って戻ってきた。
「お待たせしました。大丈夫だそうなので、ご案内します。2階へどうぞ。」
受け付け脇にある階段を上がっていく。
2階の真ん中あたりの部屋で止まり、職員がノックをしてくれて中に入る。
そこにいたのは、サンタさんのような見た目のおじさんだった。
「初めまして。王都の冒険者ギルドのギルド長をしています。おかけください。」
「それで、どのような用件で?」
時間がもったいないとでもいうように、早速本題に入る大蛇。
「うん。ホームギルドを変えるのは本当かね?」
「はい、本当です。」
「ちなみにどこへ?」
「リートルテのメインギルドへ。」
「そうか・・・理由は??」
「俺らがいかに弱いか思い知ったからです。」
「君らはBランクパーティーだ。それでもか?」
「はい。ここにいるノアさんに手も足もでませんでした。」
「君がノアか。史上最年少、かつ最速でCランク冒険者になったと、噂は聞いているよ。」
「今はBランクですがね。」
「おお、これは失礼しました。じゃあ、記録更新ですね。史上最年少、かつ最速でBランク冒険者ですか。」
「そうです。このノアさんが冒険者登録した日に、俺がボコボコにされたってわけです。」