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ギルドに入ると、中もお洒落な雰囲気だった。
中にいる人も綺麗にしている人が多い。
ただ、配置はほとんど同じだった。
右側にお洒落なごはん屋兼、酒場。
左側には、ギルドの受け付け。
ギルドの受け付けには、買い取りカウンター、依頼受け付けカウンター、登録カウンター、その他と別れている。
冒険者も綺麗にしている人が多いから、上品な人が多いのかと思いきや、そうでもないようだ。
「おお、大蛇じゃねーか!辺境行ってから、全然帰ってこないから、死んだのかと思ったぜ。まあ、俺らが行ったらスタンピートなんかすぐ片づけちまうけどな!今度の依頼はあれか?子守りの依頼だったのか?ガハハ」
ずいぶんと挑発してくる人だなと思ったら、リンダさんがこそっと教えてくれた。
絡んできたのは、Bランク冒険者パーティーで大蛇と競いあっている大熊というパーティーらしい。
メンバー構成も似ていて、ホームギルドも王都。
似ていて、ずっと比べられてきたから、会うとこうなるらしい。
「悪いな。俺らは、ホームギルド変えたんだ。」
おお、ここ数か月で、ガゼインの態度がぐっと良くなった。
マナー教室のおかげだな。
でも、時にその対応は冒険者には、逆効果だったりす・・・したな。
「おいおい、なんだよ!辺境行ったら、丸腰になっちまったんだなあ。思ったより弱かったのか~?ガハハ」
「ああ、そうだな。上には上がいる。王都で満足なんかしてられないな。」
「ああ”?何言ってんだ?」
「ちなみに、俺は子守りの依頼を受けたわけじゃないぞ?商会の護衛依頼の達成報告に来たんだ。じゃ、またな。」
そう言い、強制的に話しを切り上げたガゼイン。
「ノアさん、すんません。お待たせしました。」
「いや、大丈夫だよ。」
「おい!なんでそんなガキに敬語使ってんだよ。」
はあ、まだ絡んでくるのか。
「チッ、とりあえず混む前に達成報告してくる。それからだ。」
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「達成報告です。お願いします。」
兄上はそう言うと、サイン入りの達成報告書を出した。
「はい、お待ちください。報酬は等分に分ければよろしいですか?」
「はい。」
「え、ノアさん!ほとんどノアさんしか戦ってないんですから、俺らは一人分で十分すよ!!」
ガゼインのそういうとこ、好きなんだよなあ。
「いいのいいの。あれは、俺のワガママだし。楽しかったし。何しろ、俺はまだ自分でお金稼がなくてもいいしさ。家を出るまで5年はあるからね。」