表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

117/156

103

王都に着いた。

門番の列に並び、審査を受ける。



商会の前に着いたら、任務完了だ。

完了のサインをもらい、ギルドへ向かう。

達成報告へ向かうのだ。



「久しぶりだな~王都。」



「あ、そうでしたね。大蛇の皆さんは、王都で活躍されているんですよね。」



「えー、ノアさん。やめてくださいよ~王都で活躍していい気になって、辺境へ向かったら足元にも及ばないなんていう、黒歴史なんですから。」


大蛇のメンバーはここ数か月で、僕への態度はずいぶんフランクになった。

けんか腰→堅苦しい、カタコトな敬語へと、態度も言葉づかいも変化した。

僕の呼び名も、ガキ→ノア様→ノアさんになった。



今や、僕をリスペクトしているらしい。笑

冒険者で様付けとか、すごい可笑しいから、断固拒否したのだ。

そしたら、さん付けになった。

敬語もやめてほしいんだけどな。



「でも、これからどうするんですか?何か月も辺境にいたし、ホームギルドの依頼を受けていなくて大丈夫なのか?」



「ああ、俺たちはノアさんに着いていくと決めましたし、王都での活躍なんて小っちゃいと感じてしまって・・・ホームギルドは、リートルテのメインギルドへ変更しますので!問題なしです。」



ホームギルドとは、その冒険者が拠点にしているギルドの通称。

ホームギルドに申請もなにもいらないが、ギルド側としたら強い冒険者がいると心強いのだ。

だが、冒険者の醍醐味は、”縛られないこと”なので、ホームギルドがない冒険者もいるし、ホームギルドを変えるのも自由だし、もちろん申請もいらないのだ。



「でも、王都ではそこそこ強かったんでしょ?王都は大丈夫なの?」



「なんか、地味にグサっときますね・・・まあ、王都には十分な兵士もいるし、俺らみたいな冒険者がいなくなったって、大丈夫ですよ。」



「なら、いいんだけどさ。」




________________



冒険者ギルドに着いた。

王都のギルドだけあって、小奇麗な建物だった。

一見、ギルドには見えない。

リートルテ領のギルドを、ホームギルドにしている冒険者は、気づかずに通り過ぎてしまうかもしれない。

そういう僕も通り過ぎた一人なのだ。


兄上含む、他のメンバーに笑われた。



「まあ、リートルテにあるギルドは、こんなに洒落た建物じゃないからね。

気づかなくても仕方ないさ。」



ムっとしながら、兄上の言葉を聞いたのだった。

兄上は、何度か王都へ来たことがあったから、知っていたらしい。



前世の通りすがった電気屋さんのテレビに映っていた(テレビなんてものは、家にはなかった)アニメには、リートルテ領にあるようなギルドだった。

こんなお洒落な建物では、なかった。

やっぱり、この世界は現実にあるのだと再認識させられたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ