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「よし!俺は坊主に全面的に協力するぜ。」
「ありがとうございます。」
「団長やら、他の家族が引き留めてきても、俺がどうにかしてやるからなっ!」
と言って、ガハハと笑った。
「なっ!私たちは、よこしまな気持ちはないぞ!純粋に、ノアが大好きで、可愛くて仕方ないだけだ。」
「わーってるさ。でもな、この短時間見ているだけで、団長もリアム坊も、坊主に執着してそうだからな。それにな、貴族に産まれ、こんな風に平民や、他国にの人間までもを思えるって、純粋な心の持ち主だ。そんな子は、”ただの貴族”だったり、”領内だけ”では、その気持ちを、本人が持て余してしまう。そう思うだろう?」
「・・・・・・・」
父上は無言だ。
「ははっ。お前もわかってはいるんだな。あのお前がそんなに悩むとは。家族はいいな。私もそろそろ、結婚しようかな~相手いないけど。」
なんてお茶らけたのだった。
この感じ、ダンさんも同級生とか、だったのかな。
父上の学友は、すごい方々が多かったのだな。
きっとすごいハイレベルな時代だったのだろう。
「父上、ダンさんとも仲が良かったのですね。」
「ああ、同じ辺境伯家だし、小さい頃から交流はあったな。同い年だし、学園時代も同じクラスだったし、仲は良かったな!」
「え?過去形??」
「おい!」
僕とダンさんの声がかぶった。
「ああ、失礼。今も仲いいよ!」
「そうなのですね。僕もそんな友人がほしいです。」
「そうだな。できるさ!」