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Red  Blood  HOSPITAL

作者: Yossi-


ある事が原因で、今は、使われていない『Red Blood HOSPTAL』。名前が、とても不気味なこの病院は、何の変哲へんてつもない普通の病院だった。ある時までは・・・ネ。


私が、この『Red Blood HOSPITAL』で働いていたのは、もう十年も前の話。不気味な名前とは裏腹にこの病院には、患者がいっぱいだった。しかも、不思議な事に、ドクター達は、患者や患者の家族に、とても慕われていた。病院の内装も、広いけど、誰にでも分かりやすいように、廊下を長くして両脇に、五十音順で病室を作ってある。十人部屋の大きい病室で、人が行き来しやすい。

そんな、ある日。

私が夜勤で、同僚四〜五人とナースステーションで仕事をしていると、ナースコールが鳴った。

「・・・田中さんだ。どうしたんだろう?明日、退院なのに。」

「理由なんて関係無いよ。早く行かなきゃ」

とりあえず、私は、懐中電灯を手に、田中さんの病室へと急いだ。

「田中さ〜ん、どうなさいました?何処か、痛いんですか?」

ベッドを見てみると、田中さんは、静かに寝息をたててグッスリと眠っていた。私の頭の中には、『?』がいっぱいだった。納得のいかないまま、ナースステーションに戻った。

「あっ、田中さん、どうだった?」

「・・・うん、それがね、本人はグッスリ寝てたの。」

「じゃあ、何だったんだろうね?ま、いっか。何も無いんだったら・・・」

私達は、特に気にせず、仕事を続けた。

そして、午前二時頃。再び、ナースコールが鳴った。田中さんを除いて、二〜三人の人達もナースコールを押していた。ナースステーションに、同僚一人が残り、私と、他の同僚達が、それぞれ、ナースコールを押していた病室へと、入って行った。しかし、二〜三分もすると、私以外の同僚は何事も無かったらしく、すぐに出てきた。ただ、田中さんが、痙攣を起していた。しかも、とても危ない状態だ。同僚にドクターを呼んできてもらい、ドクターが来るまで、私は、田中さんに声をかけ続けた。すると、田中さんは、口を開いた。

「・・・足元、足元に何かいるっ!・・・助けてくれ」

田中さんの足元を見ると、確かに、何かがいた。

・・・それは、頭だった。口が耳まで裂けた、醜い顔の。でも、何処かで見た事がある気がする。ジーッと、その顔を見ていると、その顔は、ニヤッと笑って、消えていった。

 そして、次の日。田中さんは、何事も無かったかのように退院していった。昨日の事を、田中さんに聞いても、顔を真っ青にして、何も言おうとしなかった。昨日、ナースコールを押した、他の人達にも聞いてみたけど、全員が口を揃えて『自分は、押してない』と言って、そそくさと何処かに行ってしまった。他のナースに聞くと、そんな事は、体験した事が無い、と言う。

 また、私が夜勤の時。同じ事が起きてしまった。明日、退院できる人の病室からナースコールがあった。でも、見に行くと、その人は、グッスリ眠っている。それでも、午前二時頃になると、私が、見る人は、痙攣を起して、危ない状態におちいっている。

そして、やっぱり、痙攣を起こす、その人の足元には、醜い顔の頭が笑って転がっている。私と目が合うと、消えていく。でも、次の日には、何事も無かったように、皆、退院して行く。

そんな事が続いて、ナース達の間で、噂と不安が広がっていった。中には、辞めていく人もいた。私だけが、あの醜い顔を見ている。今までの、カルテを見直す事にした。

すると、今から、ちょうど九年前・・・、私が、まだナースになりたての頃。

 ある工場で、ガス爆発が起きた。その時、ちょうど旦那さんに、お弁当を届けに来た奥さんが巻き込まれた。その奥さんは、顔が焼きただれ、全身大火傷のヒドイ怪我をおった。旦那さんも一緒に運ばれて来たのだが、応急処置の甲斐も無く、搬送中はんそうちゅうに亡くなった。奥さんは、ギリギリ手術を乗り切った。奥さんが、目を開けた時、旦那さんの事を話した。話したのは、新米だった、私。旦那さんを失った彼女は、発狂はっきょうした。そして、彼女は、次の日、病院の屋上から飛び降りた。その時に、彼女は出っ張っていた木の枝で、口を切ったのだろう。彼女の口は、耳元まで裂けていた。彼女を発見したのは、私だった。まだ、息があった彼女は、私を見て、笑って死んでいった。

 私は、この事を調べている内に、彼女との約束を思い出した。旦那さんの事を話し終わった、私は、耐えきれず病室から出ようとした。そんな、私は、彼女に呼ばれた。

「・・・あの、看護婦さん?私が、死んだらココに・・・、ううん、この病院に、花瓶に花をけて欲しいの。」

「・・・ハイ、分かりました。病院の何処かには花をけるようにします。」

「ありがとう!でも、約束したからには、ちゃんと守って下さいね。」

彼女は、無理に明るく振る舞っているのは、一目瞭然いちもくりょうぜんだった。その次の日に、彼女は自殺してしまった。発狂はっきょうしたのは、そのすぐ後だった。

 忘れていた彼女との約束。それを、思い出した、私は、病院中を探した。やっぱり、彼女が出てきたのは、花をけていなかったからだ。その日、私は、花屋に寄って帰った。

 次の日、私は、昨日買った花を、花瓶に入れて、ナースステーションの前に飾った。それでも、まだ、花は余っていた。他の花瓶を探して、飾れる所に飾った。とても、華やかな感じになった。その日、私は、夜勤だった。彼女のいた、病室からナースコールがあった。その病室は、今は、誰にも使われていない。私は、彼女だと、確信を持った。同僚に止められたが、私なりに彼女に謝りたいと思って、走って病室に向かった。

 病室に着いた。彼女は、窓際に立っていた。

「・・・約束、忘れてたんだね。看護婦さん。」

「ごめんなさい。でも、貴女あなたが、人を驚かす程度の悪さをするだけで良かった。もっと、人を殺すとかしてたら、貴女あなたに気付かないところだった。」

「私も、人を殺そうとは、思わない。・・・約束を守ってほしかっただけだから。」

「本当にごめんなさい。これからは、絶対、絶対忘れないようにするから。」

「ううん、それは、もう良いの。今日は、お礼が言いたくて。・・・最後に、約束を守ってくれて、ありがとう。」

彼女は、そう言い残すと、コチラを振り返った。彼女の顔は、とても、キレイだった。



 それから、数年後。私は、ナースを辞めた。人の死と向き合うのに、嫌になったからだ。今は、『Red Blood HOSPITAL』で診察を受けている。『Red Blood HOSPITAL』では、今も、キレイな花が飾られている。


初めて投稿するので、緊張で、上手く書けているか心配なのですが、少しでも気になったら読んでみて下さい。

クレームとかは無し、でお願いします(^。^;)

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― 新着の感想 ―
[一言] 最初と最後の文の辻褄が合わない気がしますが? 主人公が発狂したというオチでしょうか?
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