鬼の子
面白いです。
「なんなんだよ、お前。なんでそんな強いんだよ!!!」
「元からだ」
そう、俺は生まれた時から強かった。
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「アレン!早く!逃げないと!死んじゃうよ!」
夕焼け色の髪色に黄金色の眼をした少年、幼馴染のザーリアが必死の形相で俺に声をかけてる。
こいつは良いやつだ、俺みたいなどこで生まれ親が誰かもわからない『普通に生きれない』。
そんな、鬼の子と言われた俺の側にずっといてくれた。お前には感謝してる。
だからこそ、引けない。
「逃げろ、そしてまた会おう」
俺はザーリアを遠くに、こいつらに殺されないような場所に行けるよう『願った』。
「君も逃げ、」
ザーリアは消えた。
後に残ったのは血の色と言われて避けずまれた髪色とそれ以上に避けずまれ、恐れられた白銀色の眼の俺、アレンと『鬼』。
『鬼』
それは、この世界が生まれた時から人間が闘ってきた怪物であり、災害であり、天敵である。
鬼がどこから生まれるのかはわからない、唐突に自然発生的に生まれる。まるで元からそこにいたかのように。
歴史上最も古い鬼の被害は、800年前。
その時の被害は国が7つ崩壊し、40の国が被害を受けたと言われている。鬼の数は、13体。たったそれだけの数で世界が滅びかけた。
そんなくそ昔のことはどうでも良い。
ただ、そいつら13の厄災に共通してたのは、全員が白銀色の眼をしていたという。
そいつらは全員討伐されたらしいが、白銀色の眼は恐怖の象徴とされた。
そんな、鬼が俺を囲んで立っている。住んでた村はもう跡形もない。そこに住んでいた村人諸共。
鬼の巨躯はゆうに4メートルはある、そんなやつらが少なくとも5、60はいる。
「おもしろい」
俺は呟く。血が、肉が、心が湧き立つ。
そんな中で鬼が襲ってくる。俺みたいな160いかない餓鬼にむけて、村人を潰した時についた血がこびり付いた拳で。
刹那
鬼が跡形もなく吹き飛ぶ。
その巨躯を支えていた脚だけを残して。
俺は何もしていない。いや、俺自身は何もしてない。
俺の盟約。人間がいう、スキルというものが働いた。
俺の心に刻まれた、生まれた時から存在している盟約。
13の厄災、始祖の鬼神が持っていたとされるスキル
『破戒』
効果は、全てを破壊する。
全て、それはこの世界すらも対象内だ。
そして『破戒』は『調停のスキル』
つまり、そういったことが運命づけられた者だけが持つものである。
つまり、俺は。
世界を破壊する。
人間も鬼も関係なく。