ちょっとしたオカルト体験③
今からお話するのは、わたくしが体験した本当の話ですのよ。
わたくし、一人暮らしをしておりますの。ちなみに、お家は一戸建ての4LDKですわ。
ある夏の日、わたくしは夜中に目を覚ましました。喉がカラカラに渇いていて、わたくしは暗い部屋を明かりも灯さずに立ち上がり、洗面台へと向かいましたの。
洗面台はわたくしの寝室から玄関ホールを通った場所、脱衣所の中、その角に設置されてありますの。そして玄関ホールには小さな小さな白熱電球を灯しています。まだLEDには変えておりませんのよ。理由は後述しますけれどLEDに変える気もありませんの。
脱衣所には脱衣所の明かりを灯さずに入りましたわ。何故って脱衣所の明かりを灯したら、その明るさで目が完全に覚めきってしまいますでしょ。そうすると、再び眠りに就き難くなりますわ。玄関ホールの電球をLEDに変えないのもその為ですわ。LEDってオレンジ色のものでも凄く明るいんですもの。
わたくしは洗面台の前に立ち、水道のバルブを開け、両手で水をすくいそれを口に運びました。その後、洗面台が隣接する壁に欠けているタオルを手に取ろうとしてわたくしは身動きをとれなくなってしまいましたの。それは金縛りとか言うものでは無く、精神的な動揺によるもの。わたくしは文字通り、体が凍りついたと言っても過言じゃありませんでしたわ。
その理由は、ありえない物を見てしまったせいですの。
そのありえない物というのは“指”ですわ。
先ほども言ったように、我が家の洗面台は脱衣所の角に設置されておりますの。洗面台と脱衣所の壁の間には、ほんの少し隙間が開いていますのよ。そして、わたくしはタオルと手にしようとした時に、その隙間から四本の白い指がニョキリと生えているの、ハッキリと本当にハッキリと見てしまいましたの。真っ白い指で手の平は壁の方に向いているらしく、指先には爪も見えましたわ。
わたくし、口元と指先を塗らしたまま、その指を凝視し、タオルを取る事も出来ずに凍り付いてしまいましたわ。
そうした状態で1秒、2秒と経過すると、その指はしゅっと洗面台と壁の隙間にもぐりこむ様に隠れてしまいましたの。指が見えなくなっても数秒はわたくし、凍りついたままでしたわ。何秒凝りついていたかは解りませんが、何とか冷静さを取り戻したわたくしは、ゆっくりとタオルで手を拭きました。その後、階段の下のスペースを利用した収納棚に向かい、そこから長い長いマイナスドライバーを取り出して握り締めましたわ。そのマイナスドライバー、長さが六十センチぐらいあるちょっと特殊な奴ですの。因みにダイソーで売ってますわ。
わたくしはそのドライバーを掴んだまま、脱衣所に戻り明かりを付けましたの。
そして勢い良く、そのマイナスドライバーを洗面台と壁の間の隙間、ちょうど指がひっこんだ場所に突き刺してグリグリと動かしましたの。
そうするとドライバーの先に少し何か触れているような感触を覚えましたわ。
何かが洗面台と壁の間にある。わたくし、そう思いましたわ。
その何かを取り出すためにわたくしは、さらにぐりぐりとドライバーを動かしてそれをドライバーの先に引っ掛けるようにしたままドライバーを手前にスライドさせて、その何かを壁の隙間から穿り出しましたの。
出てきたのは髪の毛でしたわ。
信じられない位の大量の髪の毛が絡みついて出てきましたのよ。わたくし思わず「げえぇ~~っ!!」と蛙が潰れた様な変な声を挙げてしまいましたわ。
絡みついて来た髪の毛はとっても長くて、埃まみれでしたわ。間違いなく、わたくしの髪の毛じゃありませんでしたし、あんな狭い隙間に大量の髪の毛が詰め込まれていること事態、異常で気持ち悪いと思いましたわ。
もう気持ち悪くて、放置も出来ず、何度も何度もドライバーを突っ込んで髪の毛をかき出して、最後にフラッシュライトで照らして隙間を覗き込みましたわ。でも隙間が狭くて困った事に奥までは見えませんの。でも、ドライバーには何もひっかからなくなりましたし、床に顔をひっつけて隙間を覗き込んでも何もおちていないようでしたので、綺麗に出来たと思いましたわ。全部で野球の軟式ボール大ぐらい髪の毛の塊が出来ましたわ。
全部かき出し終わる頃には、何だか精神的に疲れてしまって、その髪の毛をゴミ箱に入れてゴミ袋を縛った後は直ぐにまた眠りました。
これが、わたくしの体験した内容です。あの後、再びあの不気味な指を見た事はありませんわ。お家の中が暗くなったり明るくなったりする変な現象は時々ありますけどね。
わたくし、幽霊の類は全く信じていません(信じられません)けど、こういう現象が起こると流石に少しは気味悪く思ってしまいますわ。どうせ体験出来るなら、もっとファンシーでコミカルなものの方が良いですわよねぇ。
マジやで