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水鏡が淵のミカヅチヌシ 〜諏訪湖の怪異譚〜  作者: 壇 瑠維


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4/12

続く惨劇─嘲笑う黒き影

五兵衛が襲われた1週間後。村人は家に引きこもり、与一ら数名が獲物を持って村を巡回していた。と、遠くから牛の叫び声が聞こえる。


「奴か!」


与一たちが駆けつけた時には、既に牛は跡形もなく連れ去られた後だった。与一はギリギリと歯を噛み締めて悔しがる。


「まあ、人じゃなくて良かったじゃねえか」


村長がポン、と肩を叩いてくれたが与一は収まらない。燃えるような視線は山の中の見えない姿に注がれていた。


◇◇◇


1週間後。警戒していた与一たちを嘲笑うかのように、今度は若い娘のいる家が襲われた。家の中は血で染まり、黒いものが戦利品を誇るように肩に担いでいる。


「……野郎!」


前回と同じように与一の突進はいなされ、他の面々が放つ竹槍も簡単に跳ね返される。黒いものはニヤリと笑うと、また飛ぶように山へ消えていった。


残された与一たちはただ、無力な絶望感に襲われていた。

【次回予告】

村を襲う影を止めることは誰にもできないのか。

村人たちの心も折れ始め、残された道は僅か。

次回、村長が一つの“選択”をする。

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