第11話 私は月夜に照れている
月夜の人気者ですね。それくらべて、朝日がコンプレックスを感じるのもわかります。朝日もコンプレックス感じる程でもないとおもいます。
「月夜、おさまったね」
待ち遠しかったわたしの声のトーンも高くなっていた。
王子様の月夜は困ったように首をかしげる。
「私って、なんだか、人気者みたいだね」
ハハハハ……勢いすごいかったからね……記憶喪失でこれは戸惑うよね。
「月夜は剣道部の王子様だからね」
茶化していうと、月夜の顔が崩れていた。
バツが悪いみたいだ。
「お、王子様? 私が」
そっか、そっか……月夜は夜空をあおぎ、こまっているみたい。
月夜は中性的な美人だ。それで、剣道も強く、下手な男性より紳士的ならモテないわけがない。
素直で優しい彼女を嫌いになる人なんていない。
私は美人でもないし、スタイルだって運動部に入っているのに痩せてないし、少し太っているかも……自分のお腹に筋肉はついてない……肉をつかめた……
王子様の横には可愛らしいお姫様じゃなくて、モブにしかなれないのかも。
私の人生の幸福は月夜の幼馴染になれたこと、そして……
「私も月夜の事を………好きなんだし」
照れるのを隠して私は顔を見せない。
あからさまな私の態度に月夜も顔も背けてしまっていた。
「そうだね……恋人……だからね」
そんなふうに顔を赤らめられて、答えるのが可愛すぎる!
月夜、それは反則だよ。
私はめちゃくちゃドキドキしてしまう。
「うん。恋人だもんね」
私は赤くなる頰を隠すように縮こまり答えていた。
そうだね。これは認めるのは恥ずかしすぎない。
私がいい出して、初めた関係なんだけど、私は……ドキドキしてたまらない。
「うん。恋人……」
それで、月夜は静かにわらい、少しずつ照れていく。ずっと……ためらって。
やがて意を決するように口をひらく。
「手をつながない」
伸ばされた手に困りはててしまう。
そう、月夜の顔は夕日のせいか、別の要因かわからないけど赤く染まってる。
きっと。私もおなじなんだろうなと思う。
けど、月夜ほど綺麗じゃない。
私は朝日だけど、本当は貴方にあこがれるひまわりでしかないんだ。
「うん……」
それでも、貴方に手をのばしていた。
ギュと二人の手が重なる。
たぶん、お互いにドキドキが伝わっていた。
明後日の方向をみてるけど。
ぎこちなく歩いてる。
私たちって、こんなにぎこちなかったけ……
「あのさ。私さ。朝日と一緒にいられるのはすごくうれしいよ……」
なんて、笑ってくれる朝日がまぶしい。
ギュと握り返してしまう。
すごくうれしい。
私たちはゆっくりと、家に帰っていく、できるだけ長くこの時間が続くようにと。
私は月夜の惑星になれた気がする。
けど、私たちの帰り道は終わてしまう。
名残惜しそうに手を放す。
すごい、悲しくなってしまう……
「また、明日ね」
月夜はニコリと笑い、さりげなく手をふってくれている。
さりげなく、本当にかわいらしい。
月夜の家と私の家はおなじような作りの一軒家。
そう、新興住宅地なので、買った時期もほとんど一緒、なんか。両親の時から運命を感じてしまう。
私の家は奥まっているため、ここでお別れ。
「うん。帰ったらラインするからね」
そして、私は月夜と手を振りあって別れる。
名越惜しいけど仕方ないな。ラインで話せる幸せ。
そして。私は気づく。誰かついてきている。
ヒタヒタ……
どうしよう………早く家に逃げ込まないと、怖い怖いよ。
走り出すと相手を反応させてしまうかも。
……月夜……助けて……
ついにトンと肩をたたかれる。
「ヒャ、ヒュアァーー!」
腰が抜けそうになり、振り向いてそこにいたのは………
二人きりの帰り道ってのイチャイチャはいいですね。なんか、朝日と月夜の二人はいいですね。
しかし、後ろからついてくるのはいったい誰なのか! こうご期待。




