盗賊
「エレン、盗賊が何人いたか覚えてる?」
「俺らを襲ったのは7人だ。」
7人か…
「なるほどね。それじゃあここからそう遠くない洞窟を根城にしている可能性が高い。」
そう言って地面に地図を描く。
「なんでそんなん分かんの?」
「バルセからライズまでの道のり周辺の地形は頭に叩き込んだからね。盗賊の根城になっていそうな場所は粗方おさえておいたんだ。
それと盗賊が7人しかいないはずがない。この前ギルドで公表されている盗賊の情報を確認したけどみんな7人以下だった。…情報があまり出てないことをふまえると組織的に動いている可能性が高い。30人はいるはずだよ。そして30人程の人間が一緒に隠れながら生活できる所なんてここから30分程で歩いて行ける洞窟くらいしか思い当たらない。今まで問題にならなかったのは目撃者を全員殺していたからだろうね。」
そう言って地面に描いた洞窟を木の枝で叩く。
「このまま突っ込むのか?」
そうしたいのはやまやまだが、考えなしに突っ込むと命がいくつあっても足りやしない。
「いや、とりあえずこの予想が当たっているか確認する。当たっていたら今日は遠くから観察して相手の強さを見る。だから決行は明日以降になるだろうね。エレンの弟はおそらく盗賊のアジトにいるだろうからなるべく速く助けに行きたいけど、考えなしに突っ込んだら助けるどころか全滅するから慎重にいかないと…」
「だが、大人,しかも30人近くいるんだろう?そんな相手に戦う方法なんてあるのか?」
もしそんな方法はないといったらエレンは引くだろうか?いや、そんなことはない。自分一人だけでも突っ込んでいくだろう。まったく世話が焼ける…
「イリアス、、僕が正攻法で戦うと本気で思っているの?もちろん、誰もが『汚なっ!!』って思う戦いになると思うよ。人は油断しているとき大体似たような行動をとるからずる賢い作戦が成功しやすいんだ。それじゃあみんな、気をつけて移動しようか。この近くに盗賊がいてもおかしくないからね。」
「「了解「おう!」」」
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「エレンはどんぐらい戦えるん?」
「そうだな、コウと同じくらいもしくはそれ以上には戦えると思う。獣人は人間よりも力が強いからな。盗賊が1人か2人ならなんとか弟と父さんを守りながら戦えたんだけどな…」
心なしかエレンが虚ろな眼をしているように見える。仕方はないが昔の僕を思い出してしまうため少し不快だ。
「それでもすごいで!守りながら戦うんは1人で戦う時よりも何倍も難しいからな!」
「しっ、静かに。カイ、もしかしてあれじゃないか?」
「そのようだね。こっそり近づくのは僕の十八番だから皆はここで待ってて。」
そう言って僕は1人で洞窟の近くの茂みに隠れにいった。
僕のスキル"索敵"と"聞き耳"のレベルはこの前3に上がった。
そのお陰で"索敵"は自分の半径50mの敵の位置(自分よりも格上の時は反応しない)がわかるようになった。
そして、"聞き耳"は大体20m程なら声がはっきりと聞こえるということがわかった。
スキルを使うと洞窟にはやはり30人近くの人間の反応があるのがわかった。
「……そういや昨日の獣人のガキは殺したのか?」
「いや、見た目が良いからボスが売るって言ってたぜ」
「もう1人のガキはどうするんだ?」
「ここには強い魔物が多い。ガキだけじゃもうのたれ死んでいるだろうよ」
「そりゃそうか、、そんじゃあ明日は町か。今日は早く寝ないとな」
「ガキの飯まで用意したくねぇからな!2日飯を抜いたぐらいで死にはしないだろう!ガハハハハ」
…スキルに異常はなさそうだな。そろそろ戻るか。それにしても汚い笑い声だな…てゆうか門番のくせに大声で叫んだらだめだろうが…
これ以上収穫はないだろうし見つかる可能性も高くなるので一旦引くことにした。
「どうやった?」
「明日の朝、エレンの弟を連れて町に行くらしい。戦うなら明日の朝、奴らがエレンを連れて外に出てきた時が一番安全だよ。」
「わかった。作戦はあるのか?」
「ああ、もちろん!えっとねぇ…」
勝算はある。殺る気さえあれば大体なんでも成功するのだ。
そして作戦会議は夜遅くまで続くのだった。
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